2020年の小学校の英語教科化に向けて学校が動き出しています。

公立小学校でも、ALT(Assistant Language Teacher)の人数を増やして対応する自治体が増えてきました。

でも、公立小学校の先生のなかには、英語が話せない先生もいます。

その上、ALTとの折衝や授業準備などで負担が増えること、他の教科の時間数が減ることなどの悩みもあり、課題は山積みです。

そんな中でも独自の年間カリキュラムを作って、それに取り組む学校もあります。

今回紹介する6年生の英語の授業は、関西のとある公立小学校で行われた英語の授業の様子です。

1年間、英語を学習してきた集大成としてグループごとに日本の文化を英語で発表する、という時間に、わたし(筆者)が、【日本語が話せない日系アメリカ人】役になって、その発表に参加をしましたので、そのときの様子をレポートしたいと思います。

 

目次;

1.英語での達成感を積み重ねる

2.好奇心と英語とのいい関係

3.英語の授業に潜入した感想

 

1.英語での達成感を積み重ねる

まず、生徒たちにとってはアメリカ人が学校にやって来ることが非日常です。

英語であいさつをして、担任の先生とやりとりをしていると

「先生って英語話せるんや!」

「本当にこの人日本語知らんの?」

と興味津々の様子でした。

生徒たちはそわそわしながら発表の準備をしました。

発表内容は、柔道、お正月、ひなまつり、スイカ割り、凧あげなど生徒たちが選んだものです。
 

トップバッターの柔道のグループは、柔道着に身を包み英語で自己紹介。

生徒A: We are Judo team. We practice Judo in P.E. class.

生徒B: This is Judo uniform. Belts have different color.

生徒C: Now, we will show you waza.

そしてマットを敷き実際に技をかけて見せてくれました。
 

続くお正月のグループは、お節料理の絵を描いて英語で説明してくれました。

生徒D: New year is Oshogatu in Japanese. We eat special food.

生徒E: This is kazunoko. It’s for many children.

生徒F: This is shrimp. It’s for long life.

生徒G: We call this Osechi.

 
どのグループも担任に尋ねながら、また一緒に調べながら英語の文章を作っていったそうです。

どのグループもハキハキと頑張って発表していました。

間違っている文法やカタカナ英語な発音もありましたが、一番大切なのは、自分達が考えた文章をしっかりと英語で発表できたこと。

そこを、私たちは評価してあげるべき、と感じました。

小学生の彼らにとっても、アメリカ人に英語で発表して通じた、という、そこが重要なポイントですよね。

 

 

2.好奇心と英語とのいい関係

発表の最後に、わたしが子どもたちに発表してくれた内容について感想を伝えたあとに、想定外の出来事が起きました。

一切日本語を話さない(という設定の)わたしに、生徒たちが

「Do you have a boyfriend?」

「How old are you?」

など、お互いに確認しあいながら、英語で質問をしてくれたのです。

話がプライベートなことに及んだので、ここで身バレ(笑)

ところが、日本語が話せると分かった途端

「なんや、日本人か~」

「やっぱりな、おかしいと思ってん!」

と言って、わたしへの興味も一気に冷めた様子でした。

小学生はまだまだ子供。アメリカ人が来たと聞いて、非日常な出来事にワクワクしたのでしょう。

原動力は何にせよ、そこから分からないなりにも英語でコミュニケーションを取ろうとする姿はとても印象に残りました。

 
ただ、一つ気になったこともあって、生徒の中に

「日本人に英語で発表して、めっちゃ恥ずかしい!」

と言う子供がいたこと。

恥ずかしい、と思う彼の気持ちも分からなくはないですが、そう思わせている原因は何なのでしょうか?

日本人相手だと英語は恥ずかしい、そう思ってしまう日本の教育や日本人の価値観には、疑問を抱きました。

これでは、政府が掲げるように日本人が臆せず英語を話せる日が来るのは、まだまだ先かもしれません。

 

 

3.英語の授業に潜入した感想

今回、英語で発表する授業にアメリカ人のフリをして潜入し、思ってもいなかった気づきを得ました。

生徒たちが自ら進んで英語を使う場が持てたこと、そして目標に向かって自分達で英語を考えた発表したことは、本当に素晴らしいと思いました。

他の小学校でも、このような積極的な授業が増えると良いですよね。

そして、恥ずかしさなど感じずに、生徒たちが英語をコミュニケーションツールとして学べる環境が広まってくれるといいなー、と強く望みます。

 

 

 
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投稿日: Mar 20, 2019 | 閲覧数: 362 | カテゴリー: