グローバル化が進む中、英語力は旅行やビジネス、そして仕事を得るのにとても大切なスキルです。

最近の日本では英語教育が加熱し、英語をどのように学んでいくかで、今後のよりよい生活や子どもたちの将来が大きく関わってきます。

「日本にいて、ネイティブのように英語を話すなんて、無理。」と思ってはいませんか?

語学留学をしなくても、インターナショナル・スクールへ行かなくても、勉強の仕方と努力次第で英語はマスターできます。

重要なのは、「英語が話せるようになる!」という強い意思と、そうなるために時間を掛けて学ぶ努力。

ただ、その基本には上手に英語を学べる方法を知っておくことが必要です。

ここでは、そんな意気込みのあるあなたへ、アメリカの教育現場で指導に関わる筆者の立場から、アメリカでの発音教育などの話を通して、日本にいる子供たちが、どのようにしたらネイティブのように英語を話せるのか、についてお話をしていきます。

 

目次;

1.小さい頃から英語を始めるべきか?それとも、大きくなってからでも、間に合うのか?

2.アメリカでの英語教育と発音指導

3.日本での英語教育と発音指導

4.英語と日本語の発音の違い

5.どのようにすれば、英語の発音は上達するのか?

6.まとめ

 

1.小さい頃から英語を始めるべきか?それとも、大きくなってからでも、間に合うのか?

言葉は、3歳からでも80歳からでも学ぶことはできますが、ネイティブ並の発音と考えると、ある時期までに始めた方が良いようです。

赤ちゃんのときから、いろいろな言葉に触れることはとても良いことですが、あまり小さい時期からですと、言葉が理解できないという難点があります。

その上、母国語の基礎がきっちり理解できていないと、将来の言葉の発達に問題が起きてくるという研究結果も出ています。

では、いつから英語を始めるべきでしょうか?

発音に関しては、6−7歳くらいが一つの壁と考えられています。

この時期ですと、日本語の基本が安定してきて、英語などの外国語の発音にもすんなり対応でき、英語の音との区別もできます。

ですから、発音についてだけのことを言えば、6−7歳というのが一つの区切りになります。

2つ目の区切りは、13歳前後と考えられています。

中学生くらいになると、日本語能力がかなり確立してきますので、英語の発音もはっきりと日本語との差異を理解できます。

ただ個人差にもよりますが、リスニングを豊富に実践し、具体的にどう発音するのかという意識を持ってレッスンに取り組めば、この時期から英語の発音を訓練しても、まだまだ間に合います。

さらに最近の研究では、外国語の発音を学ぶのに17−18歳からでも遅くないという結果も出ているようです。

この時期からですと、かなり効果的な勉強法が必要ですし、個人差も出てくると思います。

また、大人になってからでも、英語の発音を学ぶことはできますが、コミュニケーションができるレベルには達するものの、日本人ならではのアクセントが多少出てしまうかもしれません。

長年、日本語の発音に慣れてしまうと、なかなかその発音から抜けられず、その発音が英語の発音に移ってしまうからです。

ただし、こちらも個人差がありますので、諦めずに英語の発音に専念していれば、上達することでしょう。

 

2.アメリカでの英語教育と発音指導

英語を初め、スペイン語、ドイツ語、フランス語などのヨーロッパの言語は、音から学んでいく言葉なのに対し、日本語、中国語、そして韓国語などは、視覚から学んでいく言葉と言えます。

アメリカの英語教育では、英語を学ぶのに、音から入っていく教育法が取り上げられています。

日本で「あいうえお」を学ぶように、アメリカでも英語の時間ではまずアルファベットを学びます。

このとき、例えばAは「エー」という音とアルファベットの関連性を覚えさせ、次第に音で学んでいくことを強化していきます。

日本語はひらがなと読み方が一定しているため、ひらがなを見て、発音に困ることはないのですが、英語は古英語、フランス語、ラテン語等、いろいろな言語から成り立っている言葉なので、読み方にしっかりとした規則がないのです。

これは、ESL生徒(英語が第二言語の生徒)の悩みです。英語は大まかなルールはあっても、「発音の規則」というものがありません。

では、そんな不規則な英語の発音をアメリカの子どもたちはどうやってマスターしていくかというと、昔は母親や学校の先生、そして家庭教師が、Nursery Rhyme (子供の童謡)を教え聞かせていたようですが、最近では、phonics(フォニックス)という発音と英語のつづりとの規則性を学べる指導方法が幼稚園や小学校低学年で大きく取り上げられています。

ただ、フォニックスの規則を使っても、全英単語の発音は正しく読めるようにはなりません。

フォニックスの規則から外れた綴り・発音もたくさんあるからです。

フォニックスは、ただ「発音ガイド」と考え、その他の不規則発音は学校や毎日の生活の中で聞き慣れていくことになります。

 

3.今までの日本の発音教育法

一般的に考えて、日本の英語発音指導方法には、まだまだ改善の余地がたくさんあります。

今は多少改善されたかもしれませんが、公立学校の英語のほとんどの先生方は、多少の留学経験はあっても、きちんとした発音が出来ていませんでした。

英語検定試験などでよく、先頭の方で出題される「英語発音表記」をそのまま教えるだけでは、実際にネイティブのような発音には近づけません。

また、昭和時代の英語教育では、発音についての指導はほぼ無いと言っても過言ではないような状態でした。

英語の勉強と言えば、文法の理解と単語を増やすこと。その他に、発音を上達する場はなかったように思います。

最近では、英語のネイティブ教師が公立学校や英会話教室でかなり増えてきたため、「生」の英語の発音を直接聞けるようになりましたので、少しは改善してきていると思うのですが・・・。

でも、直接「生の英語」に触れていれば英語の発音が上達するかというと、そうとは限りません。

いくら英語の先生が一緒に歌を歌ってくれたり、会話をしてくれたりしても、学んでいる当人が正しい発音の「意識」がなければマスター出来ずに、耳から耳への素通りで終わってしまいます。

インターナショナル・スクールへ通っていたり、親が英語を話せるというのであれば、毎日の会話でそういった「素通り」された英語も会話をして行くうちに、少しずつ直されていきますが、週に数回の英会話では、英語の正しい発音は身に付きません。

 

4.英語と日本語の発音の違い

英語の発音に苦労されている方は、日本語と英語の発音の違いが理解できるとは思うのですが、「どこが、どう違うのか?」と聞かれると、まだまだ闇の部分がたくさんと思います。

例えば、一般的に知られている子音のth (the) やR(rock)とL(lock) などの違いは、英語を学んでいる人にはよく紹介される発音です。

恐らく、何度も繰り返し練習していけば、次第にマスターできるでしょう。

では、次にaの発音を考えてみてください。

日本語では「あ」という発音一つしかないこのアルファベット。

アメリカ英語の母音 a には、7つの違った発音の仕方があるのを知っていましたか?

1. Jack  2. Yacht  3. About  4. Football  5. Cable  6. Share  7. Private などの単語中のa の発音はすべて違います。

これは、英語のネイティブが発音して聞かせてみたとしても、簡単に学べる発音ではありません。

まず、発音の差を感じ取ることが出来るようになるまでかなりの時間がかかります。うまく発声・発音するためには、さらに時間をかけて練習する必要があります。

このような発音の発話については、英語の先生が何度も発音をしてくれたとしても、聞く側に全くの意識がないと、英語の発音をマスターすることはできません。

 

5.どのようにすれば、英語の発音が上達するのか?

英語生活の環境にない6−7歳くらいまでのお子さんでしたら、英語で歌を歌ったり、英語のテレビ番組を見せるなどして、普段から英語の「音」に慣れ親しませておくと良いでしょう。

このとき、英語を受け身で覚えさせるのではなく、英会話などで実際に使える場を与え、フォニックスを良く理解している先生から、歌、ダンスや演劇などのアクティビティを通して、楽しく英語を使いながら英語の発音を直してもらうと良いでしょう。

英語のイベントに親子で参加したり、英語圏の国へ実際に行ってみて、英語を体験するのも良いでしょう。

中学生くらいのお子さんとなると、もう少し意識した発音練習が求められます。

日本語の発音が少しずつ英語の中に入ってきてしまうので、意識的に英語独特の発音を聞き取って、その場で発声する練習を繰り返すと良いでしょう。

英会話の先生がフォニックスや英語の早口言葉(Tongue twisters)を良く理解しているのであれば、細かい発音を教えてもらったり、都度、自分のチェックをしてもらうと良いです。

こちらも、受け身で発音を聞いて理解するだけではなく、自分から発話をして、それに対して先生からフィードバックをもらうことが重要です。そういった少しずつの積み重ねが、細かい発音の上達へと繋がります。

また、英語の先生方が見落としがちな点は、発音に集中してしまい、イントネーションがおろそかになってしまうことです。

完全な発音の練習は、Google Translate (Google 翻訳アプリ)でも出来ます。

ただ、その発音はロボット的になりがちで、普通に人と会話をするのには、ぎこちなさがあります。

イントネーションは、その状況に応じた感情や表現で抑揚をつけながら言い表すことです。

日本語自体がわりと音声的に抑揚のない言語なので、アクセントの強弱がある英語に比べると「自分をそこまでさらけ出して表現できない!」と思う日本人も多いかと思います。

そういった日本人の物静かさを乗り超え、極端なイントネーションをつけながら英語の言い回しを表現していくと、ネイティブと話したとき、予想外に良い反応が得られるものです。

少し、自分を変えるつもりで英会話に取り組んでみましょう!

発音やイントネーションを独自にマスターしてみようと思うのでしたら、英語の歌をカラオケで歌ってみたり、自分の気に入っている映画やテレビ番組の一コマを何度も繰り返し練習すると、その効果があがります。

勉強とは言え、楽しく英語に触れていると、会話も楽しくなってきます。

是非、試して見てください。

 

6.まとめ

英語の発音を学ぶことは、日本人だけの課題ではありません。

アメリカでは年々人口比率が増してきているヒスパニック系のアメリカ人にとっても難しい課題になっています。

英語を「話す」ことは出来ても、ネイティブのように流暢に話すには、日々の積み重ねによる努力が欠かせません。

でも、努力さえすれば、英語をネイティブのように話すことは決して不可能ではありません。

DJの先駆者、小林克也さんは外国で教育を受けたこともなく、インターナショナル・スクールへも行かずに、日本でかなり英語の勉強をして、アメリカ人のようにアメリカ英語を使いこなせています。

日本にいてもネイティブのように英語をマスターすることは出来ます。

やる気と勉強法によって、外国人と間違われるほどにもなれます。

数年後に、アメリカ人と英語で冗談を言っている自分の姿を想像してみてください。

世界観が変わり、とても楽しいですよ。

 

 

 
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投稿日: Sep 06, 2019 | 閲覧数: 644 | カテゴリー: