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英会話講師が検証する「公文式の英語」

※こちらは、公文式の英語を過去に子供に習わせていた経験のある元英語講師による寄稿記事です。公文式のメリット・デメリットについてお話しています! 

はじめに

英語の習い事を考えたときに「英会話スクール」と「公文式の英語」、どちらにするべきかで迷っている方も多いと思います。

どちらにもメリットとデメリットがあるのですが、ここでは、英会話講師の視点からみた「公文式の英語ってどう?」というテーマで、英語学習のヒントなども含めてお話しができれば・・・と思っています。 

「公文式の英語」の特徴① イーペンシル

公文式の英語は、どんなに小さな子どもであっても、英会話スクールのようにゲームやアクティビティをしたり先生と一緒に英語ソングで楽しんで・・・ということはなく、子どもたちはデスク前に座って英語プリントを自習ベースで学んでいく、というスタイルです。

英語プリントと、イーペンシルという少し太めのペン型音声機器を使って少しずつ「聞く・読む・書く」を繰り返して学習を進めていくのですが、このイーペンシルが、英語講師的にはとても優れているツールだと感じています。

英語プリントのマークに合わせてペンシルの先端をあてると、ネイティブの英語音声がペンシル内蔵のレコーダーから聞こえてくる仕組みになっているのですが、これが、子供が自分で英語音声を再生するときには非常に優れているのです。

通常の英語教材では音声を再生するのに、CD番号を追ったり、そもそもプリント(テキスト)とは別に機材を用意する必要があります。そのため、小さなお子さんが自発的に音声を聞いてリピートする、という作業は難しく、多くの英会話スクールでも音声を流すのは先生の仕事です。でも、このペンシルを使えば、子ども自身で、いつでも、何回でも繰り返して聞くことが出来るのです。

また、あえてヘッドセットではなく、ペンシルから音が聞こえてくるという点も「子供はヘッドセットが苦手だからなー。さすが、公文式さんは分かってはる」という感じで、本当にこのイーペンシルは良くできていると思います。

「公文式の英語」の特徴② 大量のプリント

apple、orangeなどの単語が並んだだけの幼児向けプリントから始まり、中学レベルの文法項目まで、段階を追ってたくさんのプリントに取り組みます。しかも、子供によっては同じプリントを3回ぐらいやり直します。

100点をとっても、平気で「じゃあこの100枚分はもう一回復習してやりましょう」といった感じで平均でも2回ぐらいはやるのではないでしょうか。

英語は「毎日の積み重ね」が大事ですので、そういった意味では、大量のプリントを、しかも反復しながら進んでいくといったやり方は、非常に優れている英語学習の方法と言えるのではないかと思います。

ちなみに、ここでは3A→2A→A→B→C・・・IⅡまでの中学レベルを例に、各レベルの「学習のねらい」をピックアップすると以下のような感じです。

A:身近な単語(名詞・形容詞・動詞)を聞いて意味が分かる力を高める。イラストと英単語を頼りに身近な単語を音読できる力を高める。

F: 基本的なbe動詞の文・一般動詞の文の構文意識を育てていく。文単位での写し書きを通して、いろいろな人称の文を読み書きする。

H2: 動詞や形容詞を含んだ句、be going to、have toを使った文を読み書きできるようにする。比較表現・受動態を含む文を読んで理解できるようにする。主語の単複に応じて適切な動詞の形を使う。

※ここでは中学レベルまでを紹介しています。現在の公文式英語教材は、さらにJⅠ~O、大学教養課程相当のXPまで用意されています。

「公文式の英語」の特徴③ 教材中心の自学自習スタイル

上記で例示した「学習のねらい」を見て頂ければお分かりの通り、結構難しい文法項目も入っているのが公文式ですが、少なくとも公文式歴○年のうちの娘を見る限り、きちんと英文法を理解している様子は全くありません。

プリントには「ほぼ答え」となるようなヒントが入っているので、しっかりと理解できなくても何となく進むことが出来てしまうからです。

公文式は、先生が英文法を一から授業形式で教える学習法ではなく、教材を使った自学自習を先生がサポートするスタイルです。現在も公文式の先生になるために教員免許などの特別な資格は必要ありませんが、研修・サポート制度が設けられています。私自身、娘の学習を見ていて、文法の細かな理解まで授業形式で教えてもらうというより、教材を軸に自力で進めていく学習法だと感じました。

英語講師の視点からは「しっかり理解出来なくても、細かい間違いは気にせず、自分から発言する力さえ養うことが出来ればOK」だと思うのですが、「自分から発信する力」というのが、実をいうと公文式の英語での一番の弱点なんです。 

「公文式の英語」の弱点は「話す力」

英会話力を養うのに必要な、人と人とのコミュニケーション。これを非常に重視するのが巷の英会話スクールです。一方、公文式でも音声を聞いて復唱・音読する学習はありますが、英会話スクールのように、相手の質問を聞いてその場で答える「会話のキャッチボール」を繰り返すことが中心の学習法ではありません。

英語の言い回しを学ぶことは大切ですが、実際に人とやり取りする力は、人を相手に英語を使う経験を重ねることで伸ばしやすくなります。英語であろうと、日本語であろうと、やっぱり、人対人のコミュニケーションがベースになっているのが言語ですから、この部分は公文式以外の方法で補っていきたいところです。

一方で、公文式で身につけた語彙力・文法力・読解力は、英検学習とも相性が良いと感じています。実際、我が家でも公文式を続けながら英検に挑戦し、中学1年で英検2級を取得しました。詳しくは「公文式に通って中1で英検2級を取得しました!」でご紹介しています。

ただし、英検でもスピーキングが評価される級がありますし、実際の英会話まで考えるなら、人を相手に英語を使う練習も加えたいところです。 「英語でコミュニケーションができる子供に育てたい」「英会話力を特に伸ばしてあげたい」と思っている親御さんは、公文式の良さを活かしつつ、会話の練習も組み合わせるのがおすすめです。

まとめ

英語の学習は反復、日々の積み重ねが重要、ということにおいては、いかなる英語教育の専門家でも、反対意見を唱える人はいないと思います。そういった意味では、非常に優れた部分も多い公文式の英語です。

あとは、自習スタイルの弱点である英会話練習、コミュニケーションの部分をどう補うか。

英会話スクールと両方に通うことが出来ればもちろんそれに越したことはないのですが、予算的・時間的に厳しい場合には、安価で始められるオンライン英会話スクールを上手に活用したり、国際交流イベントに家族で定期的に参加するなどの工夫をしてみてください!

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