
英検2級の合否を分けるライティングですが、ライティングに苦手意識を持つ生徒が多いのもまた事実です。でも、ライティングは正しい書き方の「型」とコツさえ押さえれば、実は安定して高得点が狙えるようになる狙い目パートになりえるのです。
この記事では、元英語講師の私が鉄板の構成テンプレートや便利フレーズ、効果的な勉強法まで徹底解説します。英語の文章を書くのが苦手な方でも、自信を持って本番に臨めるようになりますよ。
まず知っておきたい英検2級ライティングの基本情報
私達は、英検合格を目指すみなさんを全力で応援しています。今回は、合否の鍵を握るとも言われる「ライティング」パートについて、解説をしていきます。
ここではまず、ライティング問題の基本情報についておさらいします。英検2級のライティングというのはどのようなテスト問題になっているのか、基本情報を一緒に確認していきましょう。
問題形式と解答のルール
英検2級のライティングは、150語程度の英文を45~55語にまとめて記述し直す「要約問題」と、与えられたトピック(質問)について、自分の意見とその理由を英語で記述する「意見論述問題」があります。問題は各1問ずつで、大問4と大問5として出題されます。
要約問題の基本ルールは次の通りです。
- 150語程度の英文が示される。3つの段落で構成されているケースが多い。
- 提示された英文を約1/3にあたる45~55語に要約。
- 解答は、問題冊子とは別の英文要約解答欄に書く。
また、意見論述問題の基本ルールは次の通りです。
- 指定されたTOPIC(質問)に対して、自分の意見を明確に述べる。
- 意見をサポートする理由を2つ、具体的な説明や例を交えて書く。
- 語数の目安は80語~100語。
- 解答は、問題冊子とは別の英作文解答欄に書く。
要約問題・意見陳述問題共に、環境問題、インターネットの普及、働き方、食生活など、私たちの身の回りにある社会的なテーマがよく出題される傾向にあります。
日頃からニュースなどに関心を持ち、色々な事柄について「自分はどう思うか?」を考える習慣をつけておくと、本番でもスムーズにアイデアが出やすくなります。
ご家庭でお子さんをサポートする際は、日本語でも良いので、ニュースや時事問題などを子供と話し合える環境を用意しておくことが大切なポイントになります。
合格の鍵を握る4つの採点基準
ライティングの成績は、CSEスコアという指標で示されます。このスコアは「内容」「構成」「語彙」「文法」の4つの観点から、それぞれ0~4点の5段階で評価され、合計16点満点で採点されます。この16点がCSEスコアに換算されるため、各観点でバランス良く得点することがとても重要です。
逆に言えば、どれか一つでも評価が低いと、合格が難しくなってしまう可能性があるということですね。それぞれの観点が何を見ているのか、英検の公式サイトでそれぞれの評価ポイントが公表されていますので、しっかり確認しておきましょう。
採点観点 | 評価のポイント |
---|---|
内容 | 課題で求められている内容(意見とそれに沿った理由)が含まれているか。具体的で説得力のある内容か。 |
構成 | 英文の構成や流れが分かりやすく論理的か。序論・本論・結論といった構成で、接続詞などが効果的に使えているか。 |
語彙 | 課題に相応しい語彙を正しく使えているか。同じ単語の繰り返しを避け、多様な表現ができているか。 |
文法 | 文法的に正しい英文が書けているか。単文だけでなく、複文(接続詞や関係代名詞を使った文など)のような、多様な文構造を正しく使えているか。 |
CSEスコアについては、日本英語検定協会の公式サイトでも公開されていますので、一度は目を通しておくことをおすすめします。自分の書いた英文が、この4つの観点を満たせているか意識することが、高得点への第一歩です。
目標とすべき文字数と時間配分
英検2級の筆記試験は、リーディングとライティングを合わせて85分間です。この時間内で、リーディングの大問3つとライティングの2問を解ききる必要があり、時間配分が非常に重要になります。ライティングにどれくらいの時間をかけるべきか、目安を知っておきましょう。
目標文字数
ライティングの目標文字数は、要約問題では45~55語、英作文問題では80語~100語です。この語数を大幅に下回ると、意見を支える理由や具体例を十分に説明できず、「内容」の評価が低くなる可能性があります。逆に、大幅に超えてしまうと、時間内に書き終えられなかったり、文法ミスやスペルミスが増えたりする原因にもなります。まずは指定の語の範囲に収める練習をしましょう。
理想的な時間配分
筆記試験85分のうち、ライティングに割く時間の目安はずばり25分~35分です。これは、要約問題と英作文問題の2問を合わせた数字になります。
リーディング問題の得意・不得意によって多少調整は必要ですが、この時間を目標に練習を進めると良いでしょう。まずは要約文の方は10分以内、意見論述問題は20分以内を目標に取り組んでください。そのためには、解答用紙に英文を埋めるまでの作業を、ステップごとに分解して時間を意識することが大切です。
(英文要約問題の解答ステップ)
作業ステップ | 目標時間 | やること |
---|---|---|
1. 英文を理解する | 約3分 | 多くの場合3つのパラグラフに分かれています。特に最初と最後の文に注目して読んで、内容をしっかり理解しましょう。 |
2. 文章組み立て | 約4分 | 各パラグラフから1-2つの中心的なアイデアを選びます。逆に例示や詳細な説明は省略して削れるところをさがします。主要な論点に焦点を当てることが必要です。 |
3. 英文を書く | 約4分 | 抽出したキーポイントを基に、実際の要約文を書きます。接続詞や移行表現を使って文章にまとまりを持たせましょう。 |
(英作文問題の解答ステップ)
作業ステップ | 目標時間 | やること |
---|---|---|
1. 構成を考える | 約5分 | TOPICを理解し、自分の意見(賛成か反対かなど)を決める。その理由を2つ考え、簡単なメモを作りましょう。 |
2. 英文を書く | 約10~15分 | メモに沿って、序論・本論・結論の構成で英文を書き進めましょう。 |
3. 見直し | 約5分 | 書いた英文を読み返し、スペルミス、文法ミス(三単現のs、時制など)、語数の確認をしてください。 |
特に意見論述問題では「見直し」の時間を必ず確保しましょう。ケアレスミスを一つなくすだけで、「文法」や「語彙」の評価が上がり、全体のスコアアップに繋がります。
慣れないうちは時間がかかってしまうかもしれませんが、練習を重ねるうちに、だんだんとスムーズに時間を使えるようになりますよ。
【テンプレート付】英検2級ライティングの基本的な書き方と構成
英検2級のライティングテストは、2024年度から問題数が1問から2問に増えたこともあり、ライティングが苦手だという生徒さんにとっては、不安が増したり、半分諦めモードという方もいらっしゃるかもしれません。
でも、英検2級のライティングには、高得点が狙える「鉄板の型」が存在します。この型、つまりテンプレートを覚えてしまえば、どんな問題が出題されても、ためらわずにスラスラと解答が出来るようになります。
この章では、元英語講師である私が、実際に生徒さんに教えているライティングの基本的な構成と、そのまま本番で使える便利なフレーズ集を、テンプレート付きで詳しくご紹介します。
これを読めば、あなたもライティングが得意になる第一歩を踏み出せるはずです。一緒に頑張りましょう!
高得点が狙える鉄板の構成
英検2級のライティングで最も大切なのは、文章の「構成」です。内容がどれだけ素晴らしくても、構成がバラバラだと採点者に意図が伝わりにくく、高得点は望めません。逆に言えば、しっかりとした構成で書くだけで、文章が論理的に見え、評価がぐっと上がります。
基本となる構成は、とてもシンプルな「序論 → 本論 → 結論」の3部構成です。これは要約問題でも同様です。要約問題でも、多くの場合第一パラブラフに「序論」があり、第二パラグラフに「本論」、そして最終パラグラフに「結論」があります。
ここでは、大問5の英作文問題について主に解説を入れていきますが、要約問題にも応用できるテクニックですのでぜひ参考にしてください。
それでは、まずは序論・本論・結論のそれぞれのパートで何を書くべきかを、これから具体的に見ていきましょう。
要約問題でも、英作文と同様に「序論・本論・結論」を意識して、その部分を外さずに転記することを意識してください。それ以外の「例題」や「繰り返し」に当たる部分を省いていけばOKです!
序論:主張を明確に述べるパート
まず最初に書くのが「序論」です。ここでは、与えられた問題に対して、あなたの立場(賛成か反対か)をハッキリと示します。ここが曖昧だと、その後の文章全体がぼやけてしまうので、最も重要なパートの一つと言えます。
書き出しは、「私は〜だと思います」や「私は〜という考えに賛成です/反対です」といった形で、自分の意見を簡潔に述べましょう。難しい言葉を使う必要はありません。誰が読んでもあなたの主張がすぐに理解できるように、明確に書くことがポイントです。
【書き方の例】
- I think that students should wear school uniforms.(私は、生徒は制服を着るべきだと思います。)
- I do not think that it is a good idea for people to have pets in apartments.(私は、人々がマンションでペットを飼うのは良い考えだとは思いません。)
本論:理由を2つ具体的に説明するパート
次に、文章の核となる「本論」です。ここでは、序論で述べたあなたの主張を支える「理由」を2つ、具体的に説明していきます。英検2級のライティングでは、必ず理由を2つ書くように指示されていますので、このルールは絶対に守りましょう。
理由を2つ書くときは、「第一に、〜です。」「第二に、〜です。」といったように、接続詞を使って分かりやすく区切ることが大切です。それぞれの理由について、なぜそう思うのかを補足説明したり、具体的な例を挙げたりすると、文章に深みと説得力が増しますよ。
【構成のポイント】
- 1つ目の理由: First, (理由を述べる文). For example, (具体例や補足説明).
- 2つ目の理由: Second, (理由を述べる文). This is because (補足説明).
このように、「理由+補足・具体例」のセットを2つ作るイメージで書くと、内容が充実し、文字数も自然に増えていきます。
結論:主張を再度述べて締めくくるパート
最後に「結論」で文章を締めくくります。結論の役割は、序論で述べた自分の主張を、もう一度繰り返して念押しすることです。本論で色々な理由を述べた後なので、「これらの理由から、私はやはりこう思います」と、力強く締めくくるイメージですね。
ここで大切なのは、序論と全く同じ表現を使うのではなく、少し言葉を変えて言い換えることです。そうすることで、あなたの語彙力をアピールできます。本論で述べた理由を細かく要約する必要はありません。シンプルに、自分の主張を再度述べるだけで十分です。
【書き方の例】
- For these reasons, I believe that wearing school uniforms is important for students.(これらの理由から、私は制服を着用することは生徒にとって重要だと信じています。)
- In conclusion, I disagree with the idea of keeping pets in apartments.
(結論として、私はマンションでペットを飼うという考えに反対です。)
そのまま使える便利なフレーズ集
構成の型を覚えたら、次は各パートで使える「便利なフレーズ」をインプットしていきましょう。これらの表現を覚えておくだけで、試験本番で悩む時間がぐっと減り、スムーズに英文を組み立てられるようになります。ここでは、特によく使う鉄板フレーズを一覧にしましたので、ぜひ声に出して覚えてみてくださいね。
意見を述べるときに使える表現
序論で自分の意見を表明するためのフレーズです。問題トピックに応じて使い分けましょう。
日本語の意味 | 英語フレーズ |
---|---|
私は〜だと思います。 | I think that … |
私は〜だと信じています。 | I believe that … |
私の意見では、〜です。 | In my opinion, … |
私は〜という考えに賛成です。 | I agree with the idea that … |
私は〜という意見に反対です。 | I disagree with the opinion that … |
理由を述べるときに使える表現
本論で理由や具体例を分かりやすく示すためのフレーズです。これらを使うことで、文章の論理的な流れが明確になります。
日本語の意味 | 英語フレーズ |
---|---|
これには2つの理由があります。 | I have two reasons for this. |
第一に、 | First, / First of all, / To begin with, |
第二に、 | Second, / In addition, / Also, |
例えば、 | For example, / For instance, |
なぜなら〜だからです。 | This is because … |
結論で使える表現
文章の締めくくりに使うフレーズです。これらの表現から始めることで、採点者に「ここが結論だな」と明確に伝えることができます。
日本語の意味 | 英語フレーズ |
---|---|
これらの理由から、 | For these reasons, |
結論として、 | In conclusion, |
要約すると、 | To sum up, |
したがって、私は〜だと思います。 | Therefore, I think that … |
「構成」と「フレーズ集」をマスターすることが、英検2級ライティング攻略の最短ルートです。
まずはこのテンプレートに沿って、いくつかの問題で実際に英文を書く練習を始めてみてくださいね。
詳しい勉強法については、後の章でまたお話しします!
ライティングで他の受験者と差をつける3つのコツ
英検2級ライティングの基本的な構成やフレーズを覚えることは、合格への第一歩です。
しかし、多くの受験生が同じようなテンプレートを使ってくるため、それだけでは高得点を狙うのは難しいかもしれません。ここでは、他の受験生と一歩差をつけ、採点官に「おっ」と思わせるための3つの実践的なコツをご紹介します。
コツ1:アイデアが思いつかない時の対処法
本番の緊張感の中で「問題文に対する意見や理由が全く思いつかない!」と焦ってしまうことは、誰にでも起こり得ます。
そんな時に備えて、アイデアを引き出すための思考法を準備しておきましょう。頭が真っ白になってしまった時でも、落ち着いて取り組めるようになります。具体的な方法として、次の3つのアプローチがおすすめです。
- 賛成と反対の両方の立場から考える
自分が書きやすいと感じる立場(例:賛成)を決めた後でも、あえて反対の立場の理由を考えてみましょう。「なぜ反対する人がいるんだろう?」「反対意見のメリットやデメリットは?」と自問自答することで、自分の意見をより客観的に見つめ直せます。その結果、自分の主張を補強する新たな視点や、より説得力のある理由が見つかることがあります。 - 5W1Hで質問してみる
提示された問題に対して、「いつ(When)」「どこで(Where)」「誰が(Who)」「何を(What)」「なぜ(Why)」「どのように(How)」という切り口で質問を投げかけてみましょう。例えば、「若者はもっと多くの本を読むべきか」という問題なら、「なぜ本を読むべきなの?(Why)」「どんな本を?(What)」「どうやって読む時間を確保するの?(How)」と深掘りすることで、具体的な理由やそれを支える具体例が自然と浮かんできます。 - 視点を変えて多角的に捉える
一つの視点に固執せず、様々な角度から文章を再度読んでみるのも非常に有効な方法です。アイデア出しに詰まったら、以下の対立軸を参考に考えてみてください。- 個人 vs 社会:その問題は個人にとってどういう影響があり、社会全体にとってはどうか?
- 経済 vs 環境:経済的なメリットはあるが、環境へのデメリットはないか?逆はどうか?
- 若者 vs 高齢者:その変化は若者と高齢者、それぞれにどんな影響を与えるか?
- 都市 vs 地方:都市部と地方では、その問題の状況や解決策はどう違うか?
コツ2:論理的な文章に見せる接続詞の使い方
自分の意見とその理由をただ並べるだけでは、論理的な文章とは言えません。文と文、段落と段落をスムーズにつなぎ、話の流れを分かりやすく示す「接続詞(つなぎ言葉)」を効果的に使うことが、高得点には不可欠です。しっかりと接続詞を入れて文章表現をすることによって、文章全体がぐっと引き締まり、論理的に見えます。
ここでは、役割ごとに使える接続詞のバリエーションをいくつかご紹介します。状況に応じて使い分けてみましょう。
役割 | 基本的な表現 | 差がつく表現 |
---|---|---|
理由の列挙 | First, / Second, | To begin with, / First of all, / In the first place, Moreover, / Furthermore, / In addition, |
対比・逆接 | But, | However, / On the other hand, / Nevertheless, |
具体例 | For example, | For instance, / To illustrate, |
結果・結論 | So, | Therefore, / As a result, / For these reasons, / Consequently, |
特に、「Furthermore(さらに)」や「However(しかしながら)」、「Therefore(それゆえに)」といった接続副詞を適切に使えると、文章の論理性が格段にアップします。これらの表現をストックしておき、本番で自然に使えるように練習しておきましょう。
コツ3:語彙力をアピールする言い換え表現
英検の採点基準には「語彙」という項目があり、同じ単語や表現の繰り返しは減点の対象になる可能性があります。
特に、「good」「bad」「important」「think」といった基本的な単語は無意識に何度も使ってしまいがちです。これらの単語を別の表現に言い換えることで、語彙の豊富さをアピールでき、文章全体がより洗練された印象になります。
試験前によく使う単語の言い換えパターンをいくつか覚えておくだけで、本番で大いに役立ちます。以下によく使う単語とその言い換え表現の例をまとめましたので、ぜひ参考にしてください。
よく使う単語 | 言い換え表現の例 |
---|---|
I think … | I believe … / In my opinion, … / From my point of view, … / It seems to me that … |
good | beneficial (有益な), effective (効果的な), positive (良い), helpful (役立つ), useful (便利な) |
bad | harmful (有害な), negative (悪い), detrimental (有害な), damaging (損害を与える) |
important | essential (不可欠な), crucial (極めて重要な), vital (不可欠な), significant (重要な) |
many | a number of, numerous, a variety of, various |
people | individuals (個人), citizens (市民), the public (一般大衆), residents (住民) |
ここで挙げたような単語は、単語帳で覚えるというだけではなく、ぜひ実際にここで挙げた単語を含めた文章を自分で作ってみるという練習をしてください。いくつもの表現を、それぞれ別の文章に入れ込んでみるという作業をさぼらずに行うことで、本番でもスムーズに使うことができるようになりますよ。
意外と知らない英検2級ライティングの減点ポイント
英検2級のライティングでは、加点を狙うことと同じくらい「減点されないこと」が合格への近道になります。どんなに良いアイデアや構成で書いても、思わぬところで点数を引かれてしまっては、もったいないですよね。
ここでは、多くの受験生が見落としがちな、意外な減点ポイントとその対策を詳しくお伝えします。しっかり対策して、ライバルに差をつけましょう!
文法やスペルのケアレスミスを防ぐ方法
ライティングの採点基準には「語彙」と「文法」があり、ケアレスミスはこれらの項目で直接減点につながります。特に、基本的な文法やスペルの間違いは、「英語の基礎ができていない」という印象を与えてしまう可能性があります。よくあるミスを知り、見直しの習慣をつけることが大切です。
具体的には、次のようなミスが多く見られます。自分でもやってしまっていないか、確認してみてくださいね。
ミスの種類 | 誤った例 (Incorrect) | 正しい例 (Correct) | ワンポイントアドバイス |
---|---|---|---|
三単現のs | My brother play video games. | My brother plays video games. | 主語が三人称・単数・現在形の動詞には「s」を付ける、という基本ルールを徹底しましょう。 |
冠詞 (a/an/the) | I want to be teacher. | I want to be a teacher. | 数えられる名詞の単数形には、基本的にa/an/theなどの冠詞が必要です。 |
時制の一致 | When I was a child, I go to the park every day. | When I was a child, I went to the park every day. | 過去の話をしているのに、動詞が現在形になっているミスは非常に多いです。文全体の時制を統一しましょう。 |
複数形のs | There are many book in the library. | There are many books in the library. | many, some, a lot of などの後には、数えられる名詞の複数形がきます。 |
スペルミス | I agree with this opnion. | I agree with this opinion. | opinion, government, environmentなど、頻出単語のスペルは完璧にしておきましょう。 |
これらのケアレスミスを防ぐためには、答案を書き終えた後に必ず「見直しの時間」を2~3分確保することが重要です。見直しをする際は、次のことを試してみてください。
- 指差し確認:書いた英文を1語ずつ指で追いながら、スペルや単語の形(単数か複数かなど)をチェックします。
- 主語と動詞のチェック:文の主語を見つけ、それに対応する動詞の形(三単現のs、時制など)が正しいかを確認します。
- 声に出して読む(練習の時):練習で時間を計って解く際は、小さな声で音読してみましょう。リズムがおかしい箇所や、文法的に不自然な部分に気づきやすくなります。
内容が薄いと思われないための具体例の書き方
「理由は書いたけれど、具体例が思いつかなくて内容が薄くなってしまった」という経験はありませんか?採点基準の「内容」で高得点を取るには、自分の主張を支える「具体的で説得力のある理由」が不可欠です。内容が薄いと判断されると、文字数が足りていても評価は伸び悩みます。
例えば、「インターネットは便利だ」という理由を述べたい場合を考えてみましょう。
△ 内容が薄い例
First, using the internet is very convenient. We can get a lot of information easily.
これだけだと、「どのように便利なのか」「どんな情報が手に入るのか」が分からず、採点者にはあなたの主張が十分に伝わりません。
◎ 内容が濃い例
First, using the internet is very convenient. For example, if we want to know about the weather, we can check it on our smartphones anytime and anywhere. In the past, we had to wait for the news on TV, but now we can get the information instantly.
このように、「例えば、天気予報をスマホでいつでも確認できる」といった具体的な場面を加え、「昔はテレビのニュースを待たなければならなかった」という比較を入れることで、内容に深みと説得力が出ます。これが、内容を濃くするためのコツです。
具体例を思いつくためのヒントは以下の通りです。
- 5W1Hで考える:「誰が(Who)」「いつ(When)」「どこで(Where)」「何を(What)」「なぜ(Why)」「どのように(How)」を自問自答してみましょう。
- 自分の経験を当てはめる:「自分だったらどうするか?」「自分の周りではどうだろう?」と考えてみると、身近で具体的な例が見つかりやすくなります。
- Before/Afterで比較する:「もし~がなかったら、どうなるだろう?」「昔はどうだっただろう?」と、現状と比較することで、利点や問題点がより明確になります。
TOPICからずれないための注意点
意外と多くの受験生が陥ってしまうのが、書いているうちに話がどんどん逸れてしまい、TOPIC(質問)からずれてしまうことです。これは、採点基準の「内容」において最も大きな減点対象となり得ます。どんなに素晴らしい英文を書いても、質問に答えていなければ点数はもらえません。
例えば、TOPICが「今日、人々は昔より健康的な食生活を送っていると思いますか? (Do you think that people have a healthier diet today than they did in the past?)」だったとします。
これに対して、「健康のためには運動が大切です。例えば、ジョギングは手軽に始められます…」と書き進めてしまうと、TOPICである「食生活」からずれてしまいます。これは「健康」という大きなテーマに引っ張られてしまった典型的な例です。
TOPICからずれないためには、以下の3点を徹底しましょう。
- 設問のキーワードを正確に捉える:上記の例では、「healthier diet (より健康的な食生活)」「today than in the past (昔と比べて今日)」がキーワードです。このキーワードから絶対に離れないように意識します。
- 書き始める前に構成メモを作る:いきなり書き始めるのではなく、まず「主張 → 理由1 → 理由2 → 結論」の簡単なメモを作ります。それぞれの理由が、きちんと自分の主張とTOPICに結びついているかを確認してから書き始めましょう。
- 書いている途中でTOPICを見返す:本論の理由を一つ書き終えたら、一度問題文のTOPICに目を戻し、「この理由は、ちゃんと質問の答えになっているか?」と確認する癖をつけましょう。
英検の公式サイトでもライティングテストの評価の観点が公開されています。課題で求められていることに、的確に応えられているかが非常に重要視されていることが分かります。詳しくは公式サイトも確認してみてくださいね。
ライティングテスト(英作文)の採点に関する観点及び注意点|公益財団法人 日本英語検定協会
これらの減点ポイントを意識するだけで、あなたのライティングの答案は格段に安定します。ミスを減らし、着実に得点を積み重ねていきましょう。
英検2級ライティングの効果的な勉強法について
ライティングは、リーディングやリスニングと違って、一人で勉強しているとなかなかスコアが伸びにくい分野かもしれません。でも、心配しないでください。正しいステップで練習を重ねれば、誰でも必ず得意分野にすることができます!
ここでは、英検2級対策に特化した効果的な勉強法を4つのステップに分けてご紹介します!
ステップ1:まずは型を徹底的にインプットする
何事も、まずは基本の「型」を覚えることが大切です。特に英検2級のライティングは、時間との勝負でもあります。試験が始まってから「さて、どうやって書こうかな…」と考えている時間はありません。あらかじめ決まった構成(テンプレート)を頭に入れておくことで、スムーズに書き始めることができ、論理的でまとまりのある文章に仕上げることができますよ。
覚えるべき型は、この記事の前半でもご紹介した「序論 → 本論 → 結論」の3部構成です。この型に沿って書くだけで、採点基準の「構成」で高評価を得やすくなります。まずはこの型を何も見なくても言えるくらい、体に染み込ませましょう。
パート | 役割 | ポイント |
---|---|---|
序論 (Introduction) | 自分の意見を明確に表明する | I think that … や I agree with the idea that … などのフレーズを使う。 |
本論 (Body) | 意見を支える理由を2つ具体的に述べる | First, … Second, … を使って理由を分かりやすく提示する。 |
結論 (Conclusion) | 序論で述べた意見を再度、違う言葉で述べて締めくくる | For these reasons, … や In conclusion, … で文章を締めくくる。 |
この基本的な構成を、まずは徹底的にインプットすることから始めてみてくださいね。
ステップ2:例文を書き写して表現を覚える
型を覚えたら、次は質の良い英文にたくさん触れて、使える表現の引き出しを増やしていきましょう。そのために一番効果的なのが、模範解答などの例文を「書き写す」ことです。私たちはこれを「写経」と呼んでいます。
ただ単に書き写すのではなく、次の3つのポイントを意識すると効果がぐんとアップしますよ。
- 意味を考えながら書く: 一文一文、「これは序論だな」「この for example は具体例を説明しているな」というように、文章の構造や単語の意味を意識しながら書き写しましょう。
- 音読しながら書く: 声に出すことで、目と手だけでなく、耳と口も使って英語を覚えることができます。リズムやイントネーションも意識すると、より記憶に定着しやすくなります。
- 表現をストックする: 「この言い回しは便利だな」「この単語は別のトピックでも使えそう」と感じた表現は、専用のノートにメモしておきましょう。自分だけのオリジナル表現集が作れます。
書き写しに使う例文は、お持ちの参考書や問題集の模範解答で十分です。毎日少しずつでも続けることで、自然で説得力のある英語表現が身についていきます。
ステップ3:実際に時間を計って問題を解く
型を覚え、表現のストックも増えてきたら、いよいよ実践練習です。ここでの一番のポイントは、「必ず時間を計って解く」ことです。英検2級の筆記試験は全体で85分間。ライティングにかけられる時間は、見直しも含めて30分、出来れば25分程度が目標です。
本番のプレッシャーの中で実力を発揮するためには、普段から時間を意識したトレーニングが欠かせません。タイマーを30分にセットして、過去問や予想問題に挑戦してみましょう。
最初は時間が足りなかったり、焦って簡単なミスをしたりするかもしれません。でも、それでいいんです。練習を繰り返すうちに、時間配分が体に染み付いてきます。自分なりのペースを見つけていきましょう。週に1〜2問のペースで練習できると理想的ですね。
過去問は、日本英語検定協会の公式サイトで直近3回分が公開されていますので、ぜひ活用してみてください。
どうしても30分では収まらない、という場合の対策方法は2つ。1つは、リーディング問題を迅速に解けるようにすること。これによってライティング問題にかけられる時間を多めに確保できます。そしてもう一つは、練習時、次々と新しい模擬問題に取り組まず、あえて少し前に行った同じ問題を解いてみること。同じ問題であれば早く解答が書けるはずです。焦らず取り組むことが出来れば、おのずとだんだん時短が達成できるようになります!
ステップ4:書いた英文は必ず添削してもらう
ライティング学習において、最も重要と言っても過言ではないのが、この「添削」のステップです。自分では完璧だと思っていても、ネイティブスピーカーや指導のプロから見ると、不自然な表現や文法的な間違いが隠れていることがよくあります。
自分では気づけない弱点を客観的に指摘してもらうことで、スコアは飛躍的に向上します。書いた英文は、必ず誰かに添削してもらいましょう。
【添削をお願いできる相手】
- 学校や塾の英語の先生: 最も身近で頼りになる存在です。積極的に質問して、なぜそのように直されたのか理由までしっかり確認しましょう。
- オンライン英会話の講師: サービスによっては、ライティングの添削オプションがある場合があります。様々な講師からフィードバックをもらえるのが魅力です。
- 有料の英文添削サービス: プロによる質の高い添削が受けられます。料金はかかりますが、的確なアドバイスで短期間でのスコアアップが期待できます。
添削してもらったら、それで終わりではありません。指摘された箇所をよく復習し、同じミスを繰り返さないように意識することが大切です。そして、添削された答案をもとに、もう一度全文を書き直す「リライト」を行うと、学んだことがしっかりと定着しますよ。この地道な努力が、合格への一番の近道です。
英検2級対策おすすめ参考書・教材3選
ライティング対策に特化した参考書や、実践練習に欠かせない過去問題集など、数ある教材の中から「これだけは押さえておきたい!」という3冊を、多くの英検対策レッスンを実施しているスモールワールドサポートスタッフの立場から厳選してご紹介します。
ご自身のレベルや目的に合わせて、ぴったりの一冊を見つけて、ライティングを得点源にしていきましょう!
英検分野別ターゲット英検2級ライティング問題改訂版
「ライティングの勉強、何から手をつけていいかわからない…」という初心者の方に、まず手に取ってほしいのがこの1冊です。英検対策のプロである旺文社から出版されており、ライティングの基本の「型」から、使える表現、答案の作り方まで、これ以上ないほど丁寧に解説されていますよ。
項目 | 内容 |
---|---|
対象レベル | 初心者~中級者 |
特徴 | 「序論・本論・結論」という基本構成の作り方が、豊富な練習問題を通じて徹底的に学べます。特に、模範解答の質が非常に高く、そのまま覚えるだけでも表現力がアップするのが嬉しいポイントです。 |
おすすめの使い方 | まずは解説を読んで基本の型を頭に入れ、次に模範解答を書き写す「写経」をしてみましょう。書き写すことで、自然な英語のリズムや接続詞の使い方、語彙の選び方が身体に染み込んできます。 |
アイデアが思いつかない時のためのヒントも満載で、「アイデア出し→構成→執筆」という一連の流れを、この1冊で体系的に学べるのが最大の魅力です。まずはこの参考書で基本的な書き方をマスターし、自信をつけるところから始めるのがおすすめですよ。
[改訂版]英検2級ライティング大特訓
基本的な書き方は分かっていて、「もっと高得点を狙いたい!」「他の受験者と差をつけたい!」という中~上級者の方におすすめなのが、アスク出版のこちらの問題集です。ダウンロードコンテンツも豊富で、二次の面接対策にも役立つ内容になっています。
項目 | 内容 |
---|---|
対象レベル | 中級者~上級者 |
特徴 | ・エッセイ問題と要約問題の解き方が身につく! ・必要な語彙力 ・文法力がマスターできる! ・頻出する文法、語法ミスをチェックできる! ・ダウンロードコンテンツで万全の対策ができる! |
おすすめの使い方 | かなりボリュームがある本ですが、ライティング問題の攻略テクニックなども詳しく解説されています。まずは一通りしっかり読んでから、練習問題→模擬問題へと進めていきましょう。ダウンロードコンテンツもあるので、スキマ時間にスマホでチェックするなどの方法も良いでしょう。 |
この1冊をやり込むことで、単に「型どおり」の文章から一歩進んだ、説得力のあるエッセイが書けるようになります。ライティングで高得点を獲得し、合格を確実にしたい受験生はぜひ挑戦してみてくださいね。
英検2級 過去6回全問題集
言わずと知れた旺文社のベストセラー過去問題集です。どんなに優れた対策をしていても、実践練習なしに本番で力を発揮することはできません。そこで絶対に欠かせないのが、過去問を実際にいくつも解いてみるという練習です。ライティング対策においても、その重要性は変わりません。
項目 | 内容 |
---|---|
対象レベル | 全レベル |
特徴 | 実際の試験と同じ形式の問題に挑戦できる唯一の教材です。過去に出題されたTOPICの傾向を掴むことで、本番でどんな問題が出ても慌てずに対処できるようになります。 |
おすすめの使い方 | 必ず本番と同じように時間を計って解きましょう。リーディングやリスニングを含めた全体の中での時間配分を体感することが重要です。解き終わったライティングの答案は、学校や塾の先生、またはオンラインの添削サービスを利用して必ずフィードバックをもらうようにしてください。 |
参考書で学んだ知識やテクニックが、プレッシャーのかかる状況で本当に使えるのかを試す最高の機会です。最低でも3回分は繰り返し解いて、試験形式に身体を慣らしておくことを強くおすすめします。
まとめ
今回は英検2級ライティングの攻略法について、基本的な書き方から高得点を取るコツまで詳しく解説しました。ライティングは正しい型とポイントを押さえることが何よりも大切です。
この記事で紹介したテンプレートやフレーズ集を活用し、減点されない注意点を意識しながら練習を重ねれば、きっと自信を持って本番に臨めるはずです。ご紹介した勉強法を実践して、合格を勝ち取りましょう!応援しています!
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