塾での英語指導経験をお持ちのTommy先生。中学・高校入試対策だけでなく、
小学生・中学生の英検指導が得意なTommy先生に、英検対策についてインタビューしました。
M(事務局スタッフ): Tommy先生に予約を入れてくださる生徒さんは、どのような生徒さんが多いですか?
Tommy先生(以下敬称略): 予約を入れてくださる生徒さんは主に小中学生のお子さんです。また、私が男性ということもあると思いますが、生徒さんも比較的男の子が多いという特徴がありますね。
M: 英検対策を希望されるのは、全生徒さんの何割ぐらいでしょうか。
Tommy: 英検対策を希望される生徒さんは全生徒さんの9割近くになります。ここ数年は、特に小学生など低年齢層のお子さんの英検に対する熱の高さを感じています。
♦ 小学生の英検対策
M: 英検対策を受講される小学生のお子さんのうち、受験級で多いのは何級ですか?
Tommy: 小学生のお子さんで一番多い受験級は5級〜4級です。お子さんご自身が英語や外国に興味を持っていたり、または保護者の方が「将来のために英語はできるようになってほしい!」といった希望をお持ちでスタートされる方が多いですね。まずは英検5級をステップとして英語に親しみ、5級合格後はそのまま4級のレッスンにすすみ…という流れで長くご受講いただく生徒さんが多いです。
M: 最も高い受験級は何級でしょうか。
Tommy: 小学生の生徒さんで一番高い受験級については、現在レッスン中の生徒さんでは3級、過去には(今は中学生になりましたが)準2級の生徒さんもいらっしゃいました。ただここは注意が必要なのですが、特に小学生のお子さんについては、高い級に合格したり挑戦したりすることが必ずしもその後の英語力の伸びにつながらないケースも多々あるんです。
M: それは意外ですね。どういったところでつまずくのでしょうか。
Tommy: たとえば小学生で英検3級(=中学3年レベル)を取得した生徒さんを、中学1年の途中から担当させていただいたのですが、中学の最初の定期テストで70点そこそこの点しか取れていない、といったケースも見てきました。もちろん70点でも悪くはない点数なのですが、中学3年レベルの3級に合格しているのに、と考えると少し物足りなく感じてしまいますよね。一番の原因はマークシート形式の英検との違いでした。こういったことにならないよう、小学生のうちから発話や反復練習を通じて基礎を固めるよう意識しています。
♦ 小学生の英文法指導
M: 小学生のお子さんに英検指導をする上で、苦労していることや工夫をしていることを教えてください。
Tommy: 一番難しいのは、感覚と勢いで「なんとなく」合格してきてしまったお子さんに対する指導です。たとえば、「近所の英会話教室に通って3級までは合格したので、準2級の対策をお願いします」ということでレベルチェックをさせていただくと、3級もしくは4級の単語や文法もおぼつかない…といったケースです。ある意味でこういうお子さんは英語のセンスがあるといえるのかもしれませんが、今後、級のレベルが上がってくると伸びが止まってしまう可能性が高いです。こういったケースでは、保護者の方に現状をお伝えしながら今後の進め方について話し合いを行います。その結果、もう一度単語や文法からおさらいし、一定のレベルまで到達したら準2級のレッスンに移行するといった対応をさせていただくこともあったりします。
M: 文法の指導についてはどんな工夫をされていますか。
Tommy: 小学生のお子さんに対する文法指導については、純粋な文法問題の出題が少ない「英検」の対策レッスンであっても、場合によっては中学のテキストの文法問題などを使って正しい文法の使い方に慣れる機会を作ったりもしています。ただその場合であっても、発話することを通じて小学生の時期の特権とも言える「身体で覚える」機会は必ず設けるようにしています。
M: 英検指導ではどのような教材を使われていますか。
Tommy: 5〜4級については、英語教室や塾で使われているテキストをもとにしたオリジナルのPDFを画面共有してレッスンしています。イラストを多く使った、かつパターンプラクティスがしやすい点を意図して作った教材です。
3級以上は市販のテキストを使用しつつ、ただそれだけではどうしても演習量が少なくてってしまうため、別のプリントを併用して定着度を高めるようにしています。
M: 英検対策の生徒さんにはどのような宿題を出されていますか。
Tommy: 宿題に関しては、5〜4級はオリジナルテキストの中の文章を写し、音読すること、3級以上はその日にやった文法事項の演習問題を出しています。
♦ 英検合格の秘訣、家族ができるサポート
M: 英検合格の秘訣はズバリ何でしょうか。
Tommy: 合格の秘訣は、何より英語に対して前向きな姿勢をもった上で勉強に取り組む、という点かなと思います。「わかった!」「聞こえた!」という純粋な喜びのほかにも、まずは英語に対して「なんか楽しい」といったふわっとしたプラスの感覚をもてているだけでも十分だと思います。その気持ちがあれば、私だけでなくスモールワールドの他の先生方の楽しいレッスンを受けることで、自然と合格に近づくはずです。
M: 英検合格に向けて、ご家族ができるサポートなどがあれば教えてください。
Tommy: ご家族のサポートとしては、宿題の管理のほか、「今日は何をやったの?」などの問いかけも意外と重要だと感じています。「今日はCan I 〜?をやったー」などの会話を通じて、お子さん自身の復習にもつながりますので。
♦ 中学生・高校生の英検対策
M: 中学生・高校生のレッスンご依頼はありますか。どのようなリクエストが多いですか。
Tommy: 中学生からのご依頼も多くあります。やはり英検対策の割合が一番大きいですが、「高校受験を見据えた定期テスト対策」のリクエストもあります。こういったリクエストに対しては、いわゆる個別塾の要領で英文法の勉強をすすめながら、定期テスト前には学校で使っている教科書に準拠したテキストで対策を行っています。
定期テストでいい点を取るためには、たとえば「受動態」といった一般的な単元の学習だけでは十分ではありません。それに加えて、教科書のテスト範囲に載っている単語や熟語などの表現も覚える必要があるからです。生徒さんの学習状況によって、一緒に教科書の音読を行ったりすることもあります。
M: 中学生・高校生の指導で工夫をしていることや、小学生とはここが違っている、という点があれば教えてください。
Tommy: 中学生になると、小学生の生徒さんよりも「中間テストでいい点を取りたいから」「行きたい高校があるから」など、英語を学ぶ目的がはっきりしていることも多いです。もちろん、だからといって自主的にしっかり勉強するかというとそれは別問題ですが!笑
ただそうであっても、一つでも「わからなかったところがわかるようになった」というプラスがあることでモチベーションが上がり良い結果につながったりするので、1回のレッスンであれもこれもと欲張りすぎず、「今日はコレがわかるようになった」という実感を得てもらうことも大切にしています。
♦ 英語を学ぶ上で大切にしてほしいこと
M: 英語を勉強している生徒さんへ、英語を学ぶ上で大切にしてほしいことは何でしょうか。
Tommy: 英語を「学校の成績や試験合格のためにやるもの」と割り切りすぎないでほしいと思っています。中学生の生徒さんの中には、そんなに英語は得意ではないけれど、「この前ジャスティンビーバーの曲を聴いてたんですけど「I need you to stay」ってどういう意味でしたっけ?」なんて質問をしてくれる生徒さんもいます。そんな風に英語を自分の興味のあるものに関連づけて考えられると、日々の暮らしにワクワクが加わりますし、知らないうちに自然と英語の力もついてくると思います。私自身も、レッスンの初めには生徒さんの関心がありそうなスモールトークなどを交え、英語への興味をもたせられるよう努めています。
M: Tommy先生、貴重なお話をありがとうございました!
取材:スモールワールドスタッフM