年々、英語を学習する時期が早まっているのを実感しますね。
現在の小学生ママ・パパが学校で初めて英語を学習したのは、たぶん中学1年生からという方が多かったのではないでしょうか。
でも、現在では小学5年生から英語を学習するように指導要領が変更されたのは、ご存知ですよね。
指導内容についても「英語を使ったコミュニケーション」を重視した内容になってきているなど、グローバル化へ向けた取り組みは着々と進んでいます。
一方のオンライン英会話ですが、「オンライン英会話」そのものについては、このグローバル化に向けた流れとは必ずしも一致していません。
こういうサービスがあるよ、ということ自体、一般に少しずつ認知され始めたのはここ4、5年のことのような気もしますので、やや後発の「英語教育」ツールなのかもしれませんね。
オンライン英会話の特長はなんといっても、そのコスパの高さです。
加えて、自宅でレッスンできるという利便性もあり、受講者は増加し続けています。
一方、スクールの数も増えていって競争にさらされ、少しずつ各スクールのサービス向上も図られていっているような気がします。
消費者庁のデータによると、2015年におけるオンライン英会話の市場規模は80億円にも及び(注1)、さらに増大傾向にあるということです。
このような背景から、子供さんにオンライン英会話を習わせてみたいという親御さんも多いでしょう。
とはいえ、自分が利用したことのないオンライン英会話を子供に習わせるのには、少しためらってしまう、という部分もあるのではないでしょうか。
そこで、オンライン英会話のサービスや違いや実際のレッスンの感想について、わたしのオンライン英会話受講の実体験などを元に、お話ししたいと思います。
目次
1.オンライン英会話の歴史と自身の受講体験
2.子供にオンライン英会話はオススメできるか?
3.現在のオンライン英会話スクールの状況
4.まとめ
1.オンライン英会話の歴史と自身の受講体験
オンライン英会話の歴史は、インターネットの普及とともに進捗したといっても過言ではありません。
わたしは、2009年にオンライン英会話を半年ほど受講した経験があります。
当時は、まだ「オンライン英会話サービス」の黎明期ということもあり、現在ほどサービスの質も高くない感じでした。
英会話レッスンというよりは、どちらかと言うと、
<スカイプを使った英語のコミュニケーション>
に近いものであったと記憶しています。
いま、オンライン英会話、と聞くと
「ああ、なんかフィリピンかどこかアジアの英語が得意な人たちがネットで英語を教えてくれるやつだよね」
という方もいらっしゃいます。
これは、100%正しい理解ではありませんが、オンライン英会話の普及に一役を買ったのが、フィリピン人教師の採用だったことは確かです。
インターネット上でレッスンを提供するため、提供側は日本の都市にいる必要がありません。
そのため、物価が日本よりもずっと安いことや、フィリピン人のほとんどが英語を話せるといったことから、フィリピン人講師を多く採用して、「格安」をうたい文句にしたオンライン英会話スクールが多く設立されるようになったのです。
わたしたち大人が対象であるのなら、フィリピン人講師によるオンライン英会話の受講に太鼓判を押したいです。
英語を話せるようになるには、話す経験を増やすしかない、と思うからです。
わたしは、海外の大学院に通った経験があるのですが、留学前にもオンライン英会話やプライベートレッスンを受講しましたが、それよりも実際に留学したあとのほうが、はるかに英会話の上達スピードが速かったです。
これは、それだけ、多く英語に接していたからでしょう。
多く英語に接する=英語上達には良い。
この論理をあてはめたとき、巷の英会話学校に行くよりも、オンライン英会話のほうがコストパフォーマンスが良く、英語を話すことにより多くの時間を割り当てられます。
そのため、大人の方にはオンライン英会話を無条件でオススメしたいです。
2.子供にオンライン英会話はオススメできるか?
では、子供の場合はどうでしょうか。
まず押さえておきたいことは、子供であればあるほど感受性が高く、学習スピードが速いということです(注2)。
それを実感したのが留学中に出会った日本人留学生です。
大学院で留学したわたしよりも、大学から留学している日本人のほうが、さらに高校や義務教育時から留学しているほうが英語の上達が早いように感じました。
イギリスの大学院の博士課程を卒業した知人がいるのですが、4年間留学していたにもかかわらず、英語を上手く話せないという状況でした。
子供のころから英会話を習うほうがいいように思うのは、そのためです。
オンライン英会話の場合、いまでもフィリピン人講師が多く在籍する会社であふれています。
でも、できれば、フィリピン人講師よりもネイティブ講師、帰国子女のバイリンガル日本人講師から受講できるのなら、そちらのほうがいいのではないでしょうか。
感受性が高い分、癖のある英語を習うと、変な英語の癖がつくように思うのです。
そう感じるのも、やはり留学中での体験です。
留学中にマレーシアからの留学生と友達になりました。
マレーシアでは小学生から主要科目を英語で学習する(注3)ので、日本人よりも平均的な英語のレベルは高いです(注4)。
でも、英語のクセ、特に発音に関してのは強くそのクセを感じることがありました。
吸収力の高い子供であれば、ネイティブの話す英語に接して、ナチュラルな英会話をどんどん取り込んでいくのが理想的だと考えます。
日本人バイリンガル講師やネイティブ講師が指導しているスクールは、フィリピン人講師から学ぶスクールよりも割高ではありますが、子供の英語教育を考えると、そちらの選択の方が適しているのではないかと思います。
3.現在のオンライン英会話スクールの状況
とはいえ、10年前と比べてオンライン英会話のクオリティは段違いに上がっています。
それを身近に感じることができたのは、今年になって受講した3、4のオンライン英会話スクールでの無料体験レッスンのおかげです。
多くのオンライン英会話サービスが、本入会の前に1~2回の体験レッスンを提供しています。
体験してわかったのは、そのレベルの高さです。
実際にレッスンを受講しましたが、先生方の対応力の高さには舌を巻きます。
スカイプあるいはスカイプに似た独自のアプリケーションを使って、教師が臨機応変に対応されます。わたしが教材から話を脱線させても、それに対応できるだけのクオリティの高さは印象的でした。
また英会話の教材も私が体験したスクールでは、レベル別、目的別など細かく細分化されていました。
25分という短い時間のなかで、ワンフレーズを確実に学習できるようになっています。
ビジネス英会話特化のオンライン英会話やTOEICや英検のテスト対策を行なうオンライン英会話もありますが、もちろん子供向けのオンライン英会話も存在します。
10年前であるならば子供にオンライン英会話を習わせるのを躊躇しますが、今でしたら胸を張ってオススメできると言えます。
それだけ、オンライン英会話の質が向上したということですね。
繰り返しますと、
・教材が目的別、レベル別に細分化されているので、子供のレベルにあわせて無理なく学習させられる
・ネイティブ講師やバイリンガルの日本人講師が在籍するオンライン英会話も数多く存在する
・オンライン英会話のほうが、英会話教室よりも英語に接する時間が多いので、上達スピードが速い
・フィリピン人講師でも厳選されているので、ネイティブ並みに話せる講師が一部在籍している(すべてではないので注意!)
といったところでしょうか。
4.まとめ
英語圏の国に4年近く留学して強く思うのが、
「早いうちから留学しておけばもっと英語が上達していたのかなあ」
ということです。
英語に限らず、子供の吸収力の高さは身を見張ります。
子供に将棋や囲碁といったゲームを習わせるとすぐに上達するのに、わたしたち大人が趣味で勉強してもなかなか上達しないのと状況は似ています。
できるだけ早いうちから英会話を習わせたい。オンライン英会話はコスパもよくオススメ。
いくつかのオンライン英会話を受講した実感から、子供の英語教育にオンライン英会話を推薦したいと思っています。
注1 参考リンクは以下
オンラインレッスンの動向整理
注2 日本よりも早期で英語教育を行なう国として、フィンランドや韓国が挙げられる。教育格差の問題はあるにせよ、早い段階で英語を習うことに効果があるという報告がある。
参考リンク(スウェーデン)
参考リンク(韓国)
注3 たとえばこちらの資料に、マレーシアの教育事情について書かれている。
注4 文部科学省のデータによると、TOEFLの国別平均点は、アジア圏ではマレーシアは30ヵ国中3位、日本は27位。
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投稿日: Oct 31, 2018 | 閲覧数: 553 | カテゴリー:
英語教育関連記事
2020年の英語教育改革へ対応するため、就学前・小学生の子供さんを持つ保護者の方々は皆さん、なんらかの学校以外での英語教育を受けさせたいと思っていらっしゃいます。
ただ、英会話教室や公文式、学習塾や通信教材など、選択肢がたくさんありすぎて、いったいどれを選んだらよいか分からない。
なにが最適な英語教育なのか、などと思い悩んでいる方も多いようです。
今日は、学習塾講師をしているわたし(筆者)の視点から、そんな悩めるママ・パパたちにアドバイスをさせて頂きたいと思っています。
1.現在の保護者様や子供たちの認識
2.英会話教室VS学習塾、それぞれの英語教育の特徴
3.これから英語教育を受けさせたいとお考えの保護者様へ
1.現在の保護者様や子供たちの認識
現在、小学校で始まっている英語の授業。
なかには、子ども自身が、
「学校の授業についていきたいから、他で英語を学びたい」
という場合も多いようです。
3・4年生の子供たちですら、自分たちが高学年になる頃には、英語が本格的に始まることを知識として知っている子供も多いです。
そして、ネット時代・情報時代の昨今ですので、保護者様も、
「これからの英語教育に対応するためには会話に偏っても駄目、文法だけに偏っても駄目よね」
という知識もお持ちの方が多いです。
保護者様の認識通り、これからの英語教育では、いわゆる「4技能(読む・聞く・話す・書く)のバランス」が注目されています。
これは、2020年に改革される大学入試制度の影響も大きいと思われます。
まだ、不確定な部分も多いですが、現在のセンター試験が廃止となり英語の入試が民間の「4技能のバランス」を取り入れている英語検定(TOEIC,G-TEC等)を導入するような動きも見られます。
現在の英語のセンター試験は、英検寄りの作り「Reading」「Writing」に力が入れられています。
そして、当然のことながら、高校・中学もそれに照準を合わせた指導になっていました。
これは逆に言うと、今後の大学入試制度の改革に合わせて、小学校・中学校・そして高校の英語教育も、すべて4技能が重視された英語教育に変化していくということを示しているのです。
そして保護者様も、子供さんがきちんとテストで高得点を取ると同時に、国際化時代の将来に備えるために、実践でも使えて活用できる英語教育のフォローを求めてらっしゃると感じます。
2.英会話教室VS学習塾、それぞれの英語教育の特徴
それでは次に、英会話教室での英語教育、そして学習塾での英語教育、それぞれのメリット・デメリットについてお話をしていきます。
たとえば、保護者様自身が子供の頃なら、英語を勉強するといえば英会話教室が主流だったかと思います。
そういった英会話教室では会話やヒヤリングは鍛えられるようになり、幼い頃から始めている子には「英語への慣れ」という面で、英会話教室は一番良い選択肢であるかもしれません。
しかし、英会話教室のデメリットは、会費等が結構高額なこと。
加えて、英会話はできても英文法が理解できていなかったり、実は英語を「書く」ということが習得できていない生徒さんが多いです。
中学生くらいの子供さんをお持ちの保護者からは、
「子供の頃から英会話習わせていたのに、学校の英語テストの成績がいまいちで・・・」
などいう悩みをよく聞きます。
さらに、特に小学校高学年以降の子供さんの保護者の方が不安視されることは、高学年から始めた子供が英会話教室の集団授業についていけるのか、ということです。
英会話を4年生から始めたものの、いきなり英語を浴びせられワケがわからず、結局、子供自身が慣れることができずに、英語嫌いだけ残ってしまった、という話もよく耳にします。
もちろん、英会話教室もさまざまありますので、細かくコースが分かれていたり、初心者の子どもへのフォローがしっかりしている教室もあるとは思いますが。
次に、最近多い形態となってきた公文さんや学習塾のようなところで英語を先取り学習するパターンです。
こちらの学習形式のデメリットをまずあげるとしたら、やはり英会話教室に比べて、英会話や英語ヒヤリングの力は付きにくく、「書く」という作業が多くなりがちだということです。
書く分量が多いために、未就学児や低学年の子供さんにとっては、かなりハードルが高くなってしまいます。
ですが、上記で少し触れたように、小学校高学年くらいから英語を学習し始める子供さんにとっては、メリットが多々あるかと思います。
学習塾や公文さんだと、個々のレベルに応じて英語学習を始めることができます。
例えば6年生から始めたいと思った子供は、英会話教室では周りの子供たちとの能力差がすでに出来上がってしまい、子ども自身がそこに入っていく勇気が持てなかったり、周りの目が気になってしまうようです。
そういった子供にとっては、個々のレベルに応じて始め、周りを気にせず学習に取り組める環境が作れることは大きなメリットだと思います。
3.これから英語教育を受けさせたいとお考えの保護者様へ
学習塾で沢山の子供さんや保護者様とお話しさせて頂き、実際に指導をしてきた経験上、アドバイスできることは、第一に、
「何を目的として英語を学ばせたいのか」
ということを、保護者のほうで、しっかりと考えておいてほしいということです。
小学校の英語授業に合わせたレッスンをしたいのか、(英検などの)受験対策なのか、コミュニケーション能力をつけさせたいのか、等です。
前述した通り、英会話教室と公文、学習塾など、それぞれの英語教育には、それぞれで得意分野が異なるからです。
そして次に重要だと思うことは、子供さんの年齢や性格にとって何が一番合うのか、ということをじっくり、見て頂きたいと思います。
その上で、どういったタイプの英語教育を取り入れるべきなのか、例えば英会話重視で行くのか、英会話と並行して他を取り入れていくのかなどじっくりご検討されるのが良いかと思います。
2020年の改革に向けて、まだまだ学校の教育現場自体が指導法が確立しきっていないように感じます。
保護者様もあせらず柔軟に対応していくことが大切だと思います。
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投稿日: Oct 24, 2018 | 閲覧数: 460 | カテゴリー:
英語教育関連記事
2020年には東京でオリンピックが開催されることもあり、日本ではますますグローバル化が進んでいっています。
社長が外国人とか、社内公用語が英語という話はもはやニュースにもならず、最近では従業員の半数が外国人だという日本企業も出てきたそうです。(※1)
また、近年の東京都の成人式では、出席者の8人に1人が外国人だった、というニュースもありました。(※2)
そうした背景から、実際に話せる英語。「読む・書く」、だけでなく「聞く・話す」を加えた4技能のバランスの良い習得」に対する必要性がますます大きくなってきました。
日本では、いままで文法偏重の英語教育であったために、大学まで出ていても英語を実用できない人が多くいます。
そこで政府は、小学生から英語教育を導入し、新しい時代の変化に対応できる子どもたちを育てる、グローバル化に対応できる子どもを育成する、という命題のもと、新学習指導要領を策定したのです。
目次
1.小学校英語はただの前倒しではない?!
2.文法指導は排除されるの?
3.英語学習にICTを活用しよう!
1.小学校英語はただの前倒しではない?!
小学生に英語教育が導入されることはご存知の方も多いかと思います。
でも、世の中の人の多くが勘違いされていることがあります。
それは、従来の英語教育が前倒しになるわけではないということです。
前章でお伝えした通り、今までの文法偏重の英語教育から、「読む・聞く・書く・話す」の4つの技能バランスよく学べるようにしたいのです。
日本人が苦手としている「話す」。
ここにメスをいれるのが、今回の大きな変更点です。
ところで、小学生が新たに使用する予定の指導内容要綱を見てみると、文法内容として、
「不定詞、動名詞、助動詞」などが入っています。
ただし、それらをひとつひとつ、「ここの文法はね・・・」と解説するのは小学生には難しいですよね。
では、どうするのか。
そのまま耳に馴染ませ、こう言いたいときには、こう言うんだよ、というように、とりあえず例文を示して使ってみる、という方式を取ります。
まさに、日本人が日本語を習得する過程と同じです。
耳が英語の発音に慣れ、意味を理解できたら、どんどん使ってみる。
間違っていたら直してもらう、という形で授業が進んでいくようになります。
2.文法指導は排除されるの?
一方で、意味の理解には、文法を学んで法則を理解するということもやはり必要な部分があります。
そこで、小学校の高学年(5・6年)を対象に、補助的に文法事項も指導をしていきます。
その際に基準になるのが、小学生のうちに英検4級取得レベル、つまり中学2年生レベルまでを実力としてつける、ということが発表されています。
・簡単に文法を学ぶ
・リスニングができるようにする
・単語を覚える
など、長文を読めるようすることよりも、話すことに重点を置いた英語学習が小学生のうちにスタートをするのです。
話すことに重点を置いた授業になりますので、これは、いくら問題集を解こうと、できるようになるものではありません。
そのため、従来の指導に慣れている学校の教師や塾の講師、そして保護者の方にとっても新しい指導要領は、やや難しいものとして捉えられるケースもあるようです。
3.英語学習にICTを活用しよう!
英語教育導入の変化は、世の中の変化に対応した必然性があります。
もはや「(英語が)出来ると得をする」とか「ほかと差別化ができる」というものではなく、「必要なもの」になってきています。
保護者にしてみると、今までの学習法が通用しなくなる部分もあるため、どのように子どもに学習をさせるべきか、不安を感じる方も多いかと思います。
そこで、わたしが1つの解決策としてご提案したいのが、英語学習におけるICTの活用です。
ICTとは、ご存じの通り、情報通信技術のことです。
つまり、英語を学習する際に、例えば、パソコンやタブレット、スマートフォンを活用することをご提案したいのです。
最近ではインターネットを使用して海外の方とテレビ電話をして英会話をすることができます。
オンライン英会話スクールも、非常に活況ですね。子供向きのスクールも複数あります。
または、英語学習アプリも多くあります。単語量を増やすためにゲーム形式で楽しく取り組めたり、あるいは自分の発音を吹き込んで、採点をしてくれるようなものもあります。
以前よりもずっと世界は狭くなってきています。
英語を学ぶのに便利なツールが巷には多く存在するのです。
ただ時代の変化を憂うだけではなく、時代の変化をうまく活用するということが、解決策のひとつになるのではないでしょうか。
情報引用元
※1 外国人雇用についてのニュース記事
※2 新成人と外国人比率についてのニュース記事
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投稿日: Oct 11, 2018 | 閲覧数: 478 | カテゴリー:
英語教育関連記事
・2020年、新指導要領で英語が大きく変わります
・ステップ1 「これは英語で言える!」というものをひとつずつ増やしていく
・ステップ2 音声に重点を置いたインプットとアウトプットで英語を理解する
・ステップ3 フォニックス読みとアルファベット読みの区別を理解する
・ステップ4 フォニックスで身につく音と綴りの関連性が語彙力を向上させる
・ステップ5 英語に触れる機会をたくさん増やす
・終わりに
2020年、新指導要領で英語が大きく変わります
2020年は英語教育の転換期となりますね。
大学入試では英語の試験に大学独自試験ではなく、外部の4技能試験を積極的に採用するなどして、英語の4スキルの中でも話す・書くといったアウトプットする力が評価されるようになります。
この英語教育改革の波は、現在まだ小学生・中学生の子どもたちにも関係あります。
次期学習指導要領の施行は2020年度。
このタイミングで、小学5・6年生で「英語が教科化」します。
また、3・4年生で「外国語活動」が開始されるようになります。
2020年とはいえ、この原稿を執筆している2018年でも、すでに全国的な英語教科化に先駆けて、英語教科化に取り組んでいる小学校も増えています。
ちなみに、2018年の首都圏中学入試では、計112校が「英語(選択)入試」を実施しているってご存知でしたでしょうか。
今回は、来るべき小学校における英語教科化に向けて、英語を得意科目とするためのコツを5つのステップに分けてお伝えします。
ステップ 1 「これは英語で言える!」というものをひとつずつ増やしていく
小学生への英語教育の初期段階では、語彙力の強化に重点をおく必要があります。
日本に生まれた赤ん坊は、まずは単語レベルから日本語を理解していきます。
それと同様に、低学年の児童に対して英語教育を行う場合には、まずは意味を理解している単語の数をひとつずつ増やしていけるようなアプローチが必要です。
そのためには日頃から英語の音を聞く機会を増やし、それを声に出して読む練習をしてみましょう。
また英語の本を音読することなどが、とても効果的です。
ぜひ実践してみてください。
ステップ 2 音声に重点を置いたインプットとアウトプットで英語を理解する
小学生の児童に単語を記憶させるには、書き取りによる学習よりも「聞き取りと発声」という音声による学習の方が大切です。
「臨界期仮説」という言葉をご存知でしょうか?
臨界期仮説とは、第二言語を習得する場合、臨界期とされる年齢を超えてしまうと言語習得が不可能となってしまうという仮説です。
臨界期が何歳なのか、ということについては研究者の間でも意見が分かれていますが、おおむね9歳~15歳頃とされています。
臨界期そのものも生物学的に解明されたものではなく、仮説の域を出ていないとも言えます。
でも、特に音声面においては、臨界期仮説に賛同する意見も多く、小学校における英語教科化と早期教育化にも何らかの影響を及ぼしていると考えられます。
そういった意味でも、特に英語を学び始めたばかりの児童に対しては、音声から英語を記憶することができるような教育を行うべきであると思います。
ステップ3 フォニックス読みとアルファベット読みの区別を理解する
英語というのは、単語のスペルが非常に不規則で、スペルと発音が一致しない言語です。
そのため、たとえ英語圏に生まれた子どもであっても、幼児期においてはスペルと発音を脳内で組み合わせることに苦労します。
そこで、米国内では小学1年生から4年生の子どもたちに対して、「フォニックス」と呼ばれる発音指導を行っています。
フォニックスによる指導では、それぞれの文字をアルファベット読みとは異なる読みかたで指導をしていきます。これが「フォニックス読み」と呼ばれるものです。
たとえば、dogは d と o と g の音に分解されます。
アルファベット読みでは、「ディー + オー + ジー」と読むのに対し、フォニックス読みでは「ドゥッ + オ + グ」となり、合わせて「ドォッグ」となります。
また、スペルと発音との関係性に一定の規則性を見出しまとめた「フォニックスルール」も、役に立ちます。
フォニックスルールには、たとえば「サイレントe」と呼ばれるルールがあります。
これは単語の最後に e がつくと、その e は発音せず、かつ手前にある母音の文字を「アルファベット読み」するという規則です。
たとえば、 cakeは、最後の e を発音せず、手前にある母音字 a をアルファベット読みするので、「ク+ エィ + クッ」というようになります。
このようなフォニックスに基づく指導を受けることで、音とつづりの関連性を学び、初めてみた単語であっても読むことができたり、音を聞いただけで正しくスペリングができるようになります。
ステップ4 フォニックスで身につく音と綴りの関連性が語彙力を向上させる
ステップ3で紹介したフォニックスですが、大きな利点として、未知の単語に出会った場合にも、単語のつづりから発音を推測することができるようになる、ということがあります。
つづりと発音を体系化したフォニックスルールを身につけることで、読みかたを知らない単語であっても、つづりを見るだけで正しく発音をすることができるようになります。
これを知らない多くの子どもたちは、つづりと正しい発音を結びつけて理解をすることができていないので、「つづりは知っているけど、読み方がわからない」という状況が生まれてしまい、記憶の定着も弱いものとなってしまいます。
フォニックスルールを理解し正しい発音と共に学習することで、語彙力を飛躍的に向上させることにもつながるのです。
ステップ5 英語に触れる機会をたくさん増やす
ステップ2でも言及した通り、英語学習の初期段階にある児童に対しては、音声による英語学習に重点をおくべきです。
小学1年生から4年生の児童に対しては、とにかく英語に親しみ多くの言葉に触れる機会を提供することに注力すると良いと思います。
たとえば、フォニックスルールをよく理解するためにも、英語に触れる絶対量を増やすとそれだけ理解は深まりますし、定着も図ることができます。
数学の公式を理解し使いこなせるようになるためには、公式をただ眺めているだけでは不十分であるのと同じように、公式を使って多くの問題に触れていくことが大切です。
終わりに
小学校での英語教科化を迎えるにあたり、
「かえって英語嫌いの子どもを増やしてしまう」
「できる子とできない子の二極化を招いてしまう」
という声も根強くあります。
私見ではありますが、英語に興味を持ってもらい、得意科目としていくためには、日本の小学校においてもフォニックスのような音声指導法に基づいた教育を積極的に取り入れ、たとえ単語レベルであっても「英語がわかった!伝わった!」といった喜びを子どもたちに実感してもらう必要があると感じます。
子どもたちの英語への好奇心を育てるためにも、まずは家庭での英語学習から音声CDやDVDなどを活用しながら、耳と口で英語を学べる環境を整えてみてはいかがでしょうか。
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投稿日: Sep 21, 2018 | 閲覧数: 537 | カテゴリー:
英語教育関連記事