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中1英語でつまずきやすい3つの壁を越えて、中学生でも英語を得意に!

 

 

あれだけ好きだった英語が中学校に入って嫌いになった。

得意だと思っていたけど、英語の成績が悪かった。

という方は多いのではないでしょうか。

中学校に入ってから英語嫌いが急増したという調査結果もあります。

今回は、お子様が中1英語でつまずく3つの壁と、それを克服して中学生になっても英語が得意な子供に育つためのコツをご紹介します!

 

目次;

1.第一の壁 文字学習

2.第二の壁 多い+面白くない

3.第三の壁 4技能習得

4.3つの壁を乗り越えるために

5.まとめ

 

1.第一の壁 文字学習


まず最初に立ちはだかるのが文字(アルファベット)の学習です。

小学校の外国語活動のテキストにはアルファベットが載っていますが、文字を紹介する程度であって、書く練習は原則行わないことになっています。(2020年からの教育改革では小5からは文字学習が本格導入されます)

一方、小学生のうちから英語教室や公文教室などで英語を学んできた子供が増えているために、中学校に入ってからの英文字の導入には、ほとんど時間を割かずに中学校の英語授業は進行していきます

ですので、文字がなかなか覚え切れていない生徒は、書けるようになる前に授業が進んでしまい、遅れを取ってしまうことがあります。

英会話スクールでは、元気よくあいさつや会話応答が出来ていた、という子どもが、アルファベットの書き順でバツがつけられたりすると、プライドが傷つけられた気持ちになることもあるでしょう。

 

2.第二の壁 多い+面白くない


現在の外国語活動は、成績がつきません。(これも2020年からは評定が加わるようになります。)

外国語に触れるだけでいいので、ゲームやアクティビティをやる小学校の先生が多いです

しかし、中学校の英語は教科ですので、先生は成績をつけなければなりません。

また、学習指導要領では中学校の英語の目標は「コミュニケーション能力の基礎を養う」ことですが、現状は高校入試で点数が取れるようになることです。

そのため、中学校の英語では、どうしてもゲームやアクティビティは排除され、代わりに文法を習ったり、教科書の本文をきちんと読めることに重点を置くようになってきます。

文法も、読解も、面白いものではないので、外国語活動と中学校の英語とのギャップに苦しんでしまう中1生も多いのです。

外国語活動の授業時間は年間35時間ですが、中学校の英語の年間授業時間は140時間です。

小学校では週1しか英語をやらなかったのが、中学校では週4もやることになります。

授業時間が増えた上に内容が面白くない。

もう、英語の授業はいやだ→英語が苦手、の道へ一直線です。

 

3.第三の壁 4技能の習得


小学校の外国語活動では「話す」と「聞く」の2技能しかほとんど使いません。

しかし、中学校に入ると「読む」と「書く」を加えた4技能を学ぶことになります。

2つから4つへ。これは、英語にあまり触れてこなかった生徒には大きな負担になります。

しかも、中学生は多感な思春期の時期ですので、小学生であればあまり抵抗のなかった「英語を話す」ということに、抵抗を持つ時期でもあります。

結果として、小学校でせっかく行ってきた「話す」「聞く」の練習量は減り、代わりに出てきた英語の読み書きに苦戦し、英語が嫌いになってしまうのです。

 

4.3つの壁を乗り越えるために


それでは、この3つの壁を乗り越えるためには、小学生のうちに何を準備しておけば良いのでしょうか。

まず、文字学習については小学校卒業までに、あるいは中学入学してすぐに、大文字・小文字を完璧に書けるように練習しておくと良いでしょう。

小学校3年生では国語の時間にローマ字を習得しますが、割とあっさりと終わってしまうため、完全にはマスターしないままの子供も多いです。

親御さんに余裕があれば、ぜひこのタイミングで一緒にローマ字が完璧にできるように手助けをしてあげてください。

英語学習では、ローマ字の弊害もいろいろと論議されていますが、少なくとも中学生になってから、アルファベットのbとd、iとlなど、紛らわしい文字につまずいてしまうよりは、アルファベットぐらい全部書けるよ~、という中学生になっていてほしいと思います。

これは、第三の壁である4技能学習にも言えることです。

出来れば、小学生のうちに4技能を使用する環境を作ってあげてください。

小学生向けの英語ドリルを使ったり、公文の英語、あるいは比較的安価で出来るオンライン英会話スクールに通うというのもひとつの手です。

小学校4年生以上になったら、「話す」「聞く」だけではなく「読む」「書く」ことも意識して、英語に触れられると良いですね。

また、中学校に入った際に「今まで得意だった<話す>以外の読み書きの要素でバツをもらって気持ちが腐ってしまう」子供も多い、と前述しました。

保護者の立場からは、

「小学校の英語と中学校の英語は、上手くつながっていないのが今の日本の英語教育の現状」

ということを理解してあげてください。

「小学校で、○年も英会話教室に通わせてやったのに」

なんていう小言はくれぐれも禁句です!

 

5.まとめ


第二の壁にあるように、中学校に入った途端に、英語の学習量は増えて、進度も早くなってしまいます。

ゲーム・アクティビティを中心とした英語学習で「英語大好き!」という想いを持ってもらうことももちろん大切です。

ですが、読み書きも含めて、小学生のうちから英語4技能をまんべんなく学習して準備しておくことが、中1で英語の壁につまずかないようにするためには、とても大切なことです。

 

 

【参考】
中学校学習指導要領 第2章 各教科第9節 外国語

http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/new-cs/youryou/chu/gai.htm

中学校学習指導要領 「生きる力」

http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/new-cs/youryou/chu/

http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/new-cs/qa/02.htm

 

 
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投稿日: Feb 23, 2018 | 閲覧数: 1244 | カテゴリー:

 

小学生ママ必見!小学生の英検®受験、効果的な2次受験対策

 

 

小学生で英検受験をする子供が増えてきているのに合わせ、英検3級を目指す子供も増えています。

でも、近所の塾や英語教室で開催している英検4級、5級の受験と違って、英検3級にはちょっと遠くの会場まで出向く2次試験があります。

「うちの子まだ小学生だけど、英検の2次試験なんてできるかしら?」

と不安に思ったりしていませんか?

その不安な気持ちもすごくよく分かります!
そんなママ・パパたちに、ぜひ読んでいただきたいのが今回の内容です!

英検2次試験は、ある程度聞かれることが決まっています。

「聞かれる」ことと「答え方」をきちんと練習すれば大丈夫!

また年齢が低ければ低いほど、習得は早くスピーキング力はぐんぐん伸びます!

英検2次試験をきっかけにお子さんのスピーキング力を上げましょう!

それでは、次の章からは小学生に向けた、英検2次試験の効果的な練習方法をご紹介いたします!

 

目次;

1.簡単な挨拶で英検の点数はアップできる!

2.英検の2次対策には、音読練習が効果的!

3.英検2次問題・1番~5番までの決まり事を覚えよう

4.まとめ

 

1.簡単なあいさつで英検の点数はアップできる!


英検2次試験では、部屋に入り、試験官と簡単なあいさつと自己紹介をし、その後に実際のテストに入ります。

ある程度流れが決まっているので、ぜひ、お子さんと一緒に練習をしましょう!

実際の試験官も、日本人であることがほとんどです。

ここでは、ママやパパが子どもといっしょに練習出来るフォーマットをご紹介いたします。

 

子ども:(部屋をノックする)May I come in?(←これ言えたら最高です。)

試験官:Please, come in.

子ども:Hello.(←にっこりスマイルであいさつ!)

試験官:Please, have the seat.

子ども:Thank you.(←「座っていいですよ。」と言われたら座りましょう。)

試験官:May I have your name, please?

子ども:My name is Hanako Tanaka!(←できれば大きな声ではきはきと!)

試験官:How are you today?

子ども:I’m good, thank you!(←受験者が小学生だとさほど難しいことは聞かれないはずです。“How are you?”と聞かれたら”I’m good, thank you!”と答えましょう。)

試験官:This is the 3rd grade test. Is that OK?

子ども:OK!(←OK?的なことを聞かれたら、OK!と答えましょう!)

 

ここまでが問題カードに入る前までの簡単な流れです。

英検2次試験の中には態度(attitude)という項目があります。

たくさん練習をして、自信を持って英語で答える練習をすれば態度(attitude)で満点が取れるはずです。

逆に思春期に入ったお子さんだとシャイになってしまい、変に減点されてしまうケースもあったりしますので、小学生は、とにかく元気印でがんばれば大丈夫です!

 

2.英検の2次対策には、音読練習が効果的!


あいさつが終わったら、今度は本試験です。

ここでは、試験官が問題カードを手渡してくれますので、受け取ります。

その後、パッセージの黙読と音読を要求されます。

パッセージは英検3級や、英検準2級程度までであれば保護者の方でも恐れる必要はありません。

十分にお子さんと一緒に練習できる長さと語彙のレベルです。

この音読部分も、点数を稼いでおきたい箇所です。

英検の過去問題集などを購入して、過去問に載っている2次試験の問題カードを、1度ずつはお子さんと一緒に読み上げましょう。

「発音やイントネーションに自信が無いのだけれども…。」

と思うママ・パパもいらっしゃると思います。

でも、大丈夫!ぜひ、お子さんと一緒に練習をしてみてください。

発音よりも何よりも、まずはお子さんがパッセージを見て、ぱっと最後まで読めることの方がテストを合格する上で大切なことです。

「最後まで読み切る」ことができれば、発音やイントネーションを気にして小声になったり、何度もつっかえてしまうよりも、点数が良くなります!

 

3.英検2次問題・1番~5番までの決まり事を覚えよう


英検の2次試験の問題と解答はある程度決まっています。

ここでは各問題に関してのちょっとしたコツをご紹介いたします。ここでは英検3級を想定してお話していきます。

 

【問題1の答えはパッセージの中にある!】

問題1の答えはパッセージの中に必ずあります。

問題自体が大ヒントなのです。

問題の中に含まれるキーワードがパッセージにも含まれているので、そのキーワードを見つけだし、解答をしましょう。

 

【問題2・3は英作文練習です!】

問題の2と3は、

「写真には何人写っていますか?」

「男の子は何をしていますか?」

などの質問がされます。

ここは、過去問題集の問題カードを使って英作文練習をし、さらに発話練習を行うと良いでしょう。

 

【問題4・5は答えを用意しておくべし!】

4・5は受験者に関する質問です。

「テレビを見ることが好きですか?」

「インターネットはよく使いますか?」

「それは何故ですか?」

英検3級程度ですと、テレビ、インターネット、スマートフォン、部活動、勉強に関することが聞かれます。

その他、過去問題を見て、どんな問題が多いかをチェックしたら、

「こう聞かれたら、こう答える!」

・・・などと、いくつか前もって準備をして予行練習をしておくと良いでしょう。

英検、とくに英語では「特に意見はない」、というのは好まれません。

また自分の意思と反してもいいので「センテンスではっきり答える」ことが重要です。

 

4.まとめ


小学生だからといって、英検の2次試験については、それほど不安に思うことはありません。

過去問を解いていけば、それに類似したやりとりしか出てこないのが英検です。

事前にかなり準備が出来ますので、当日も心に余裕ができますよ。

また、親の介入を嫌がる中学生以上のお子さんよりも、低年齢のお子さんの方が、親子でたくさん練習が出来ます。

そこは、小学生英検受験の利点とも言えるかもしれません。

2020年以降の大学センター試験に代わり、英検などの4技能を測る民間のテストが段階的に導入されていきます。

今のうちに、英検などの試験に慣れていって、将来はお子さんがグローバルな人材になってくれたら、うれしいですね!

 

 
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投稿日: Jan 26, 2018 | 閲覧数: 434 | カテゴリー:

 

【必見】子供を完全英語のプレインターに通わせたいと思っている方へ

 

 

日本では様々なタイプの教育機関が存在しますが、英語教育の受容が発展する現代、小学生に限らず0歳からはじめる英語教育なども盛んになっています。

外国人講師と日本人アシスタントのいるような英会話教室は全国にたくさんあります。

もちろん、それぞれに、オリジナルの教材やカリキュラムを組んだりするなど他社との差別化を図るなどして工夫を凝らしていますが、共通する点が1つ。

それは「英語の習得」を最終目標としている点です。

一方、インターナショナルスクールなどの完全英語のプレインター(幼稚園)はどうでしょうか?

プレインターの場合、少なくとも筆者が勤務していたプレインターでは、日本の保育園や幼稚園と同じように、子供との生活面でのサポートを主として、それに加えて英語や文化を学んでいくことを目的としていました。

つまり「英語の習得」だけが、スクールの目標ではないところが、両者の大きな違いになっています。

 

目次;

1.プレインターと幼稚園・保育園との違い

2.プレインター卒園生たちのスキルは?

3.プレインター入園を検討している親御さんへ

 

1.プレインターと幼稚園・保育園との違い


それでは次に、プレインターと、一般的な日本の保育園・幼稚園との違いはなんでしょうか。

大きな違いとしては、なんといっても、プレインターでは園内で子供たちに完全に英語で教育をする、というところにあります。

プレインターでは、日本人講師と外国人講師が在籍している場合が多いですが、英会話教室とは違い、日本人であれば保育士免許保持者(もしくはそれに値する資格保持者)であることと、外国人講師でもチャイルドケアの資格や教員免許を取得しているかなど適格な条件のうえ、構成されている傾向にあります。

ちなみに、多くのプレインターでは、親御さんたちの英語スキルを求めていません。

私の務めていたプレインターでは、外国人講師が言ったことをその場で通訳しながら、親御さんに子供たちの今日の様子を伝える形をとっていました。

そのため外国人講師と日本人講師の内容にずれが生じることなく、明確に子供たちの様子を伝えることが可能でした。

完全英語のプレインターにはバイリンガルの日本人講師の在籍が多いため、心配なく一般の保育園・幼稚園と同じように通わせることが可能ですよ。

 

2.プレインター卒園生たちのスキルは?


プレインターには英語スキルが0で入園してくるたちも子供たちも多いです。

でも、卒業するころには一通りの英会話スキルは習得しています。

プレインターを卒業したすべての子供たちに共通して言えることは、無意識に英語に触れ、無意識のうちに英語を学ぶ習性が身についているということです。

プレインターでは、語学を習得する上で最も大切ともいえる「プラクティカルな英語を学ぶこと」が出来ます。

つまり、生活の中で得られる経験から、使える英語を実際に体験しながら学んでいけるのです。

これは、英語教室に通うのに比べ、大きなメリットだと感じています。

もちろん、英語教室であっても ハロウィンやイースターなどイベント事に海外ならではの文化を学んでいき英語に対する興味・関心を得ることは出来ます。

でも、生活体験の中で習得した英語の方がより強い。

プレインターに勤務していたときには、それを強く感じました。

例えば、日本の保育園・幼稚園でも子供同士のもめごとが起こった際には、大人が「ごめんなさい」とお互いに言えるように促したりしますよね。

あるいは、なぜもめてしまったのかなどの原因を子供たちといっしょに考えます。

こうした道徳心や、人間関係の学びを基礎として、コミュニケーションツールとして「英語」で「会話」をしていくのがプレインターなんです。

毎日の生活で起こる様々な経験のうちから、子供たちは自分の気持ちを英語で伝えようとします。

もしも、うまく伝えられない場合は、先生のサポートを得て、日々、少しずつ英語を身につけて、人間としての生き方を学びながらプラクティカルな英語を、小さな子供なりに身につけていくんですね。

 

3.プレインター入園を検討している親御さんへ


プレインターに子供を通わせようという思いはあるものの、

「自分の英語スキルじゃ先生とうまく会話できないかも…」とか

「日本語しか話せないうちの子でも卒業のころにはちゃんと話せるようになっているのか…」

など、さまざまな不安が先に立ってしまう親御さんも多いと思います。

まず、親御さんご自身に再認識して頂きたいのが、お子様に対し、

「英語を学んでほしい」

という強い気持ちがあるかどうかです。

あるいは、お子様自身に

「英語を聞いて、見て、楽しい!」

と思えるような、興味・関心が見受けられるかということです。

わたし(著者)がプレインターに勤務していたころ、途中退園をしてしまった子供たちを何名か見てきました。

その子供たちのほとんどが、完全英語の環境に慣れず、英語に対する興味・関心が生まれないまま、一般の保育園・幼稚園へ移っていくという結果でした。

転園という結果になると、金銭的にも、お子さんの精神的にも負担は決して少なくありませんよね。

そのため、親御さんへの英語に対する強い気持ち、それも母親だけでなく、父親も含めた意識の共有をしっかりと再確認してから入園を決断すると、プレインターでの生活で、ぶれなく、お子さまを支えることが出来て、結果として、充実した数年間を過ごすことが出来ると思います。

 

 
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投稿日: Dec 13, 2017 | 閲覧数: 413 | カテゴリー:

 

2020年小学校英語が変わる!英語教科化ってどういうこと?

 

 

2020年、小学校の英語が教科化するんです!

・・・と言うと、「今でも小学校で英語を習っているわよ」という保護者の方の声が聞こえてきそうです。

しかし現在(2017年の執筆記事です)行われているのは、教科としての英語ではなく「必修」とされている外国語活動の一環です。

2020年には、英語の授業が大きく変わります。何がどう変わり、子どもたちにどのような効果をもたらすのか、そのあたりについてお話をしていきたいと思います。

 

目次;

1.小学校での英語の「教科化」と「必修化」

2.小学校ではどのように英語の成績をつけるの?

3.英語の教科化と「モジュール授業」

4.教科化による効果のカギは指導者の確保?!

5.まとめ

 

1.小学校での英語の「教科化」と「必修化」

日本の小学校においては、2008年に5・6年生を対象に外国語活動としての英語教育が始まりました。

移行期間を経て2011年には、5年生から英語が「必修」となり、それ以降は週1時間の英語の授業が現在も展開されてきています。

授業内容としては、英語に親しみを持てることを目標に、「聞く」「話す」が中心になっています。

そして2020年には「教科」化されるわけですが、それでは、「必修」と「教科化」の違いは、いったい何なのでしょうか。

これは、端的に言えば、成績がつくかどうか、ということになります。

英語が教科化されると、「必修」の間にはなかった文科省検定を通った教科書を使用し、さらには今まではつけられなかった成績がつけられるようになります。

ちなみに2020年度には、小学校の3・4年生で、英語が「必修化」されることになっています。

まとめると、2020年には以下のようになります。

①小学校5・6年生で教科書を使用し、成績もつける「教科化」が行われる

②小学校3・4年生では、英語に親しみを持つための授業が「必修化」される

 

2.小学校ではどのように英語の成績をつけるの?

教科化される=成績をつける、ということは、子供たちの英語に何らかの採点を行い、テストも実施されるようになるということです。

いまのところ、英語のテスト内容が、どのようなものになるかについては、明確な指針というようなものがありません。

「聞く」のテストであれは、中学などでも行われるリスニングテストと同じ要領ですので、実施がしやすいでしょう

「話す」「読む」に関しても、中学校で実施されている手法を取り入れれば、ある程度は問題なく実施ができるでしょう。

注目すべきは、「書く」が入ってくるかどうかです。

「テスト」となると、日本人はすぐに「書く」を連想してしまいます。

もちろん成績をつけるとなると、それが一番評価しやすいわけですが、そもそも英語教科化の目標として、【グローバル化に対応した英語教育改革実施計画】(文部科学省資料より抜粋)には、

「英語によるコミュニケーション能力を確実に養う」

「東京オリンピック・パラリンピックに向け、児童生徒の英語による日本文化の発信、国際交流・ボランティア活動等の取組を強化」

とあります。それを考えると、成績をつけやすいという理由で「書く」テストを中心に行うことはナンセンスだと、わたしは考えます。

もっとも、小学生レベルの単語の意味を書きとったりする程度であれば、子どもの興味付けや、英語に対する自信獲得の意味で、効果を発揮するでしょうから、書くテストを完全に排除すべき、と言っているわけではありません。

 

3.英語の教科化と「モジュール授業」

教科化されることで、文部科学省が挙げているモデル時間割は週3コマ程度+モジュール授業です。必修のときは週1コマですので、3倍以上の分量ということになります。

ちなみに、モジュール授業とは、たとえば45分の1コマ分の授業を15分に3分割してジュール(構成要素)に分け、それが連続でなくとも3つ集まって1コマ45分の授業とカウントするものです。

なんだかややこしいですね。

モジュール授業を行うことについては、以下のような理由があるようです。

まず、英語という新しい教科が時間割に組み込まれますから、子どもの学校での授業時間は絶対的に増えます。

その際、単純に1コマ分を「7時間目」などとしてしまうと、学校側・そして子供たちにも負担が大きくなり過ぎます。

そこで、小分けにして朝の時間や給食後に組み込むことで、英語に触れる回数を増やし、反復により習得される活動にあてることで、授業時間も確保し、かつ効果を得られるようにするために、モジュール授業という時間割を想定しているようです。

 

4.教科化による効果のカギは指導者の確保?!

小学校での英語の授業は、学級担任に加えて専科教員を活用するとしています。

この教科教員の確保が急務となっており、不足しているのが現状です。

そのため、既存の先生の指導力育成のための研修の仕組みなども不可欠でしょう。

そして何よりも重要なのが、子どもたちの英語能力向上に関しては、この教科化というのはどのように効果を発揮するものなのか、ということです。

教科化により授業数が増える=英語に触れる機会が増える。

そういう意味でいうと、英会話や、リスニングが自然に多く与えられ一定の効果はありそうです。

 

ただ、小学校でコミュニケーション能力の素地を養ったのちには、中学・高校へと、学びを継続していかなければいけません。

文部科学省も「小中高を通じて一貫した学習到達目標を設定」すると明言していますので、長期的にかつ、連携がとれた仕組みになれば、英語力向上に期待ができるでしょう。

ただし、「成績がつけられる」ということで、従来型の机上での取り組みに寄ってしまうと、必修化以前と同様、日本人が英語を使えるようになることは難しいでしょう。

つまり、授業を行う先生の力量や、国の支援態勢により、どちらにも転ぶ可能性を秘めています。

 

5.まとめ

2020年の教科化はすぐそこに迫っていますが、英語力向上の環境を作るために国が動き始めました。

その環境を生かすか否かは、最後は学習者に委ねられます。

ただ、子どもたちは興味関心も様々ですし、意欲にも差があります。

だからこそ見守る大人が、しっかり子どもに目を向けて、できる限りの支援をしていくことが大事なことではないでしょうか。

子どもたちの可能性を広げるのは、近くにいる大人の責任でもありますね。

 

 
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投稿日: Dec 06, 2017 | 閲覧数: 320 | カテゴリー:

 

小学生の英語教育【その2】海外小学校の外国語教育事情

 

 

前回は「小学校の英語教科化を考える」というタイトルで、2020年から始まる英語の正式教科化についてお話をしました。

今回は、それでは海外の小学校ではどのような外国語教育が行われているのか、という点に着目して、イギリス・イタリア・フランス・タイ・マレーシア・オーストラリアでの教育事情についてお伝えいたします。

 

目次;

1.イギリスの小学校での外国語教育

2.イタリアの小学校での外国語教育

3.フランスの小学校での外国語教育

4.タイの小学校での外国語教育

5.マレーシアの小学校での外国語教育

6.オーストラリアの小学校での外国語教育

7.まとめ

 

1.イギリスの小学校での外国語教育

イギリスでは7歳から11歳までの子供たちに向けて外国語の授業が必修化となりました。

参考URL → Foreign languages to be compulsory from age seven

一番多く取り入れている外国語の授業は、フランス語になります。

次いでスペイン語やドイツ語になりますが、最近では中国語にも力を入れ始め、BBCの国営放送でも中国語の学習番組が放送され始めています。

参考URL → New BBC show offers Mandarin for pre-schoolers

イギリスの子供たちは、TVを見て外国語を学ぶ子供たちも多いのですね。

でも、英語は世界の公用語。その公用語として話すイギリスの子供たちにとっては、やはり英語以外の外国語学習を取り入れて話せるようになるには壁も厚いようです。

イギリスでは英語が母国語のため、移民が多い国ではありながらも英語を話せることは必須になります。英語の読み書きができないと生活をすることも難しいですが、逆にいうと、イギリスでは英語を話せれば生きていけます。

外国語を学ぶ必要性が特になくなれば、話すことがなかなか出来なくなる。これは、日本人が英語が不得意な理由にも共通するのかもしれませんね。

 

2.イタリアの小学校での外国語教育

イタリアの母国語は、イタリア語です。

ヨーロッパに位置するイタリアでは、小学校1年生から英語教育がはじまります。

英語の教科は必修科目となっているため、小学校1年生では週に1時間、2年生では週に2時間、3年生から5年生では週に3時間の英語の授業を実施しています。

もっとも、イタリアでは英語を話す教師の質があまり良くない、と言われていて、その点を改善すべきだという議論がよく出てきます。

イタリアにはもう一つ問題を抱えています。

イタリアは移民の多い国でもあり、その移民たちがイタリア語を話せない、ということです。

そのために外国語の英語よりもイタリア語の教育に力を入れている、という地域もあるようです。

このように、イタリアでも英語を話せない、あるいは苦手、という人は多いです。ただ、わたしがイタリアに滞在していたときには、教育に携わっている方や若い方は英語を話せる人が多かった、という印象です。

イタリア語と日本語で会話が成り立ってしまった、という不思議な経験もありました。

最終的には、言葉は「心で」話し合える、ということを実感しました。

 

3.フランスの小学校での外国語教育

フランスの母国語はフランス語です。

フランスでも、イタリア同様、小学校1年生から英語教育がはじまります。

しかり、やはりフランスでも英語講師の質はイマイチで、政府としては英語教育に力を入れているものの、英語を苦にして話さない、というフランス人は多いです。

プライドが高くて英語を話したくない、というわけではなく、単に苦手だという人も多いようです。

ちなみにフランスは移民の多い国でもありますが、植民地としてフランス語を話す教育を受けてきた移民が多いため、移民であっても、フランス語を話すには割とスムーズです。

以前出会ったフランス人のご夫妻は、辞書を片手に英語を一生懸命話そうとしてくださいました。

笑わないイメージのあるフランス人でしたが、実際に接してみて話をしてみたら、とても気さくな方が多かった印象を受けましたよ!

 

4.タイの小学校での外国語教育

タイの母国語は、タイ語です。

タイでも、やはり小学校1年生から英語教育がはじまります。さらに、一部の幼稚園では、英語のアルファベットを教えたり、英語学習プログラムを組んでいるところもあります。

タイでも、基本的にはタイ人の教師が英語指導を担当しますので、タイなまりの英語で話すことも多いのですが、ネイティブスピーカーの教師の導入も少しずつ進んできています。45分授業で筆記と文法中心の英語授業が週に3-4回あります。

ただし、タイでは英語を学んだからと言って、話せるようになるか?という点では、まだまだ課題のようです。この辺りの課題は、日本とも共通していますね。

また、タイでは近年、中学校で中国語や日本語の授業も選べるようになりました。

 

5.マレーシアの小学校での外国語教育

マレーシアの母国語はマレー語です。

もっとも、マレーシアは多国籍民族の国ですので、インド系や中国系、マレー系などの自国語を持つ人たちが集まっている国です。多くの人たちが、マレー語以外に話せる言語を持っています。

マレーシアでは小学校1年生から英語教育がはじまります。

ですが、さすがは多民族の国、小学校よりも前、幼稚園のころから英語のプログラムを組むように、という政府の方針も出来ています。

今まで挙げてきた国々に比べ、英語教育が徹底している国と言えるでしょう。

ただし、マレーシアでも英語を学んだからと言って、話せるようになるか?という点では、まだまだ課題もあるようです。

 

6.オーストラリアの小学校での外国語教育

最後に紹介するのは、また英語圏の国に戻ってオーストラリアの外国語教育事情です。

オーストラリアも、やはり移民が多い多国籍の国です。

そのため、外国語教育へは国を挙げて力を入れています。

小学校低学年から外国語を教え始めますが、フランス語、イタリア語、インドネシア語や日本語、中国語などその学校によって異なるという特徴があります。

バランスよく、読む・書く・聞く・話すの4技能を取り入れた授業を行っています。

オンライン学習やスカイプなどの多用をして、子供たちが興味を持って学習ができるような工夫が良くされている学習法を取り入れています。

もう一つ、オーストラリアの外国語教育で特徴的な点は、政府が制定する教科書がない、ということです。

それぞれに、自作の教科書を作成したり教師が独自に選んだ教科書を使って学ぶことができるので、わたしはとても素晴らしいことだと思います。

実は、わたしはオーストラリアで日本語を指導していた経験があります。

まず、日本語で作成した教科書を自作で作成し、独自のプログラムも作成します。

例えば50音を使ったかるたを作って、子供たちにゲーム感覚でひらがな・カタカナを導入したり、ピアノを使って日本語の歌を歌ったり、踊ったりすることを取り入れて、とにかく楽しく学習できるように工夫をしました。

ひらがなを黒板に書いて、自分の名前であいさつをすることは毎回行いました。

「わたしの名前は○○です」といったあいさつを生徒一人一人に行ってもらうのです。

子供の場合は、15分を過ぎると集中力が低下しやすいため、15分おきにプログラムを替えて教えていましたが、生徒たちの興味も持続し、効率もよかったと感じましたよ。

 

7.まとめ

日本だけでなく、外国語教育については諸外国でも大変な努力と苦労があるようですね。

どの国でもネイティブスピーカーの教師の育成というのが、今後の課題となっているように感じます。

今までご紹介した国のなかでは、オーストラリアでの外国語学習がひとつの見本となっているのではないでしょうか。効率よく、かしこまらずに自由な発想で、工夫がされているように感じました。

日本の英語教科化をする上でも、参考にしてほしいなあと思っています。

 

 
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投稿日: Nov 22, 2017 | 閲覧数: 607 | カテゴリー: