英語は世界で広く使用されている言語です。
英語にはイギリス英語、アメリカ英語をはじめ、国や地域ごとにいろいろな違いがあり、アクセントや表現などによって相手への印象が変わります。
私は住む年数が増えていくごとに「かっこいい」と魅力を感じるようになった
「イギリス英語ってかっこいいの?」
「アメリカ英語よりかっこいいと言われる理由は何?」
イギリス英語に興味がある方のなかには、このように疑問に感じる方もいるかもしれません。
この記事ではイギリスに5年住み、イギリス人の妻を持つ筆者が、イギリス英語の魅力やかっこいいと思うポイントを10個選んで紹介します。
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イギリス英語はかっこいい?元在住者が語る魅力10選
それでは、かつての私のように「アメリカ英語よりイギリス英語に興味がある!」という方にイギリス英語のかっこいいところや魅力を10個紹介します。
今まで知らなかった魅力を見つけられるかもしれません!
イギリスは英語発祥の地
イギリスは英語が生まれた国、英語発祥の地であり、イギリス英語には長い歴史があります。
日本ではアメリカ英語が中心に教えられていますが、世界にはイギリス英語を教える国もあるくらいです。
ケンブリッジ出版やオックスフォード出版の書籍、無料学習サイトのBBC Learning Englishなど、イギリス英語は英語学習者向けの教材の質が高く、充実していることも魅力のひとつ
実際イギリス人は「英語=イギリス英語」というプライドを持っており、そもそも「British English(イギリス英語)」と呼ばれることさえ嫌います。
彼らからしたら「English」はイギリス英語一択というわけです。
ちなみに、私もこれまでイギリス人とアメリカ人がこの論争を繰り広げる光景を何度も目にしてきましたが、基本的に双方ともに一切引かない水掛け論が繰り広げられます。
えー逆にアメリカ人の言い分が気になるんだけど!
彼らの言い分としては、アメリカ英語はイギリス英語を簡素化して、使いやすくしたものだから合理的で優れている!というものが多かったよ
洗練された印象を与える可能性もある
世界的にイギリス英語のアクセントは「洗練されている」など、相手に良い印象を与えると言われることもあります。
同じ英語のネイティブスピーカーであるアメリカ人にとっても同様で、2014年のYouGovによる調査では、アメリカ人回答者の35% が英国訛りを魅力的だと感じていることがわかりました。
とくに男性よりも女性の方が英国訛りは魅力的だと回答
とはいえ、イギリス英語がすべて「洗練」された印象があるわけはありません。
一応標準語とされるRP(BBCや王室などが使ういわゆる容認発音)はたしかに賢いイメージがありますが、RPを使う人口はたった3%にしか満たないのです。
ほとんどの人が地方アクセントや現代アクセントを話している
イギリス外に住んでいる人にとっては、RP=イギリス英語の印象を持っている場合が多いので、「イギリス英語=賢い」というのは割とミスリードとも言えます。
私はむしろRPよりも地方アクセントの方が魅力的に感じます。
えー!じゃあBBCのアナウンサーや王室みたいに話す人は少ないの?
日常ではほとんど見ないよ!みんな何かしらアクセントが混ざってるからね
イギリス英語は発音がかっこいい
イギリス英語の発音は、アメリカ英語と違う特徴がいくつもあります。
標準的なイギリス英語の発音のなかで、かっこいいと思う人が多いポイントを3つ紹介します。
Rの発音
イギリス英語では、Rは母音が後につづくときだけ発音され、Rの後に子音がつづくときや、Rが単語の最後のときは発音されません。
アメリカ英語では、Rの音はいつもはっきり発音されます。
日本人学習者の中にはRの発音が苦手な方も多いのではないでしょうか?
Rの巻き舌があまり得意でない人は、イギリス英語の方が発音しやすい可能性は高いです。
Shwa(曖昧母音)の発音
イギリス英語では、/ə/(shwa)の音は最もよく登場する母音です。
強勢のない母音でshwaが使われることが多く、曖昧に弱く発音すればいいので楽に感じます。
とても便利なshwaですが、アメリカ英語ではイギリス英語ほど頻繁に使われません。
Can’tの発音
イギリス英語では「Can’t」は「カーント」と発音され、イギリス英語ならではの発音として有名。
アメリカ英語では「Can’t」は「キャント」と発音されます。
ちなみに「Can」はイギリス英語、アメリカ英語どちらも「キャン」
イギリス英語の「Can’t」の発音は肯定か否定かが明確でわかりやすく、響きがかっこいいと感じます。
ただし、「Can’t」の発音をひとつ間違えると英語言語で最悪の単語「C**t」になるので、注意しましょう。
えー言ってはいけない英語ってなんなの?
これは絶対に言えない、それくらい悪い言葉だよ!Fワードよりも悪い!
イギリス英語の発音については、以下の記事で詳しく解説しています。
発音を勉強できる書籍やイギリス英語向けの単語帳、YouTubeチャンネルなども紹介していますので、ぜひチェックしてみてください。
- 【完全版】イギリス英語の勉強にオススメの本・参考書・発音書まとめ
- イギリス英語の学習にオススメの単語帳10選|発音表記がイギリス式のものを網羅
- イギリス英語を学べるオススメのYouTube 20選|発音の勉強やリスニングで大活躍
イギリス国内には多種多様なアクセントがある
イギリス国内には地域や社会階級(今はそれほどでもない)によって、さまざまなアクセントがあります。
一般的に外国人が教科書で学ぶイギリス英語のアクセントは容認発音(Received Pronunciation、RP)ですが、RPはもともと上級階級や教養がある人たちに話されている英語です。
RPを話す人の割合はイギリス国内ではかなり少なく(3%ほど)、地方訛りを話す人が大多数
イングランド北部・中部・南部、スコットランド、ウェールズ、アイルランドなど地域によってアクセントが大きく異なります。
アメリカにも地方の訛りはありますが、イギリスほど別言語のように聞こえることはありません。
イギリス英語には知れば知るほど興味が湧くような奥深い魅力がある
へー大げさに言っているだけでしょ?
まったくそんなことないよ!たとえば、北部英語と西部英語ではまったく違うよ!例を載せてみるからぜひ聞いてみて!
イギリスに存在するおおまかな主要アクセントについては、以下の記事でまとめています。
イギリス英語のスペルは歴史が感じられる
イギリス英語のスペルはフランス語やドイツ語など、他の言語からの影響が残っています。
一方アメリカ英語のスペルは、主に発音したときの聞こえ方に基づいているので簡素化されているのが特徴。
アメリカ式のスペルは1806年にNoah Websterが編集し、出版した辞書によって生まれたもの
たとえばcolourではなくcolorと綴るなど、イギリス英語とは違うスペルが掲載されていたのです。
イギリス英語とアメリカ英語の間にあるスペル違いの典型的なパターンを3つ紹介します。
イギリス英語−our / アメリカ英語−or
イギリス英語 | アメリカ英語 |
---|---|
colour | color |
flavour | flavor |
イギリス英語−re / アメリカ英語−er
イギリス英語 | アメリカ英語 |
---|---|
centre | center |
theatre | theater |
イギリス英語−ce / アメリカ英語−se
イギリス英語 | アメリカ英語 |
---|---|
defence | defense |
offence | offense |
イギリスの街中では看板に「city centre」「theatre」と書いてあります。
多くの日本人にとっては見慣れないスペルですが、イギリス英語の長い歴史が感じられるのです。
違いはこの3つだけ?
いや、もっとたくさんあるよ!スペルの違いについては別の記事でまとめているから、下のリンクからチェックしてみて!
イギリス英語は文法的に合理性がある
イギリス英語は文法的に正しい英語です。
例えばイギリス英語では、今につながる過去のことには基本的に現在完了形が使われます。
アメリカ英語でも現在完了形は使われるが過去形を使うのが一般的
その場合、Already、Just、Yetなどの副詞と過去形が一緒に使われています。
イギリス英語 | アメリカ英語 |
---|---|
Have you finished your work yet? | Did you finish your work yet? |
Already、Just、Yetは「すでに」「ちょうど」「まだ」と現在完了形とぴったりの意味をもつ副詞なので、イギリス英語の方が文法的に正しく聞こえます。
「Shall I〜?」「Shall we〜?」と上品な聞き方をする
イギリス英語では何かを申し出るときや、提案するときの丁寧な表現として「Shall I 〜?」「Shall we〜?」を使うことがあります。
- Shall I open the door? (ドアを開けましょうか?)
- Shall we meet on Saturday?(土曜日に会いましょうか?)
イギリスでは家族、友人などの親しい間柄でも頻繁に使われる表現ですが、とても上品な印象を受けます。
アメリカ英語では「Can I 〜?」「Do you want me to〜?」「How about〜?」などのフレーズを使うことが一般的で「shall」はあまり使われません。
英語にも丁寧な表現とかあるんだね!
「敬語は日本語だけ」と言われることもあるけど、英語でも丁寧な言い回しや表現は存在するし、とくにイギリスでは丁寧語の使用は生活するうえでかなり重要!
付加疑問文の遠回しなニュアンスがかっこいい
イギリス人との会話では付加疑問文をとてもよく使います。
- It’s hot in this room, isn’t it?(この部屋暑いですよね)
- She is so lovely, isn’t she?(彼女はとても素敵ですよね)
- You haven’t seen this drama, have you? (あなたはこのドラマをまだ見てないですよね)
相手に「〜ですよね」と同意を求めたいときに使われます。
言っていることが正しいと確信があるときは下がり調子で、あまり自信が無いときは上がり調子で言うのがポイントです。
付加疑問文の遠回しなニュアンスが非常にイギリス英語らしくてかっこいい
アメリカ英語では付加疑問文があまり使われず、代わりに「〜right?」を使うのが特徴です。
学校で習うだけのものかと思ってた!
イギリスで会話をしてみると、付加疑問文のオンパレードであることにビックリすると思うよ!
「Tea is ready!」の「Tea」は夕飯
イギリス英語では「tea」は「紅茶、軽食、夕飯」を意味します。
「Tea is ready!」と声をかけられたとき、「何でこの時間に紅茶を飲むんだろう?」と思いながらもダイニングに行くと夕食が並んでいて驚くこともよくありがち。
「Tea」にお茶だけでなく食事の意味まで含まれるのは紅茶の国、イギリスならではです。
おもしろい!ディナーは使わないの?
さらにおもしろいのが、イギリスでDinnerは必ずしも夕食である必要はなくて、昼ご飯がメイン(たとえばローストディナー)なら昼がディナーになるんだ!その場合、夕食は「ティーやサパー」を使うよ
イギリス英語はスラングがかっこいいかも
イギリス英語にはイギリス独自のスラングがたくさんありますが、かっこいいと思う人も多いです。
いくつか例をご紹介します。
innit?
付加疑問文の代わりに使われるスラングです。
もともと「isn’t it?」の省略形のスラングですが、現代では他の付加疑問文の代わりにも使われています。
She lives in London, innit?(彼女はロンドンに住んでいるよね)
上記の場合、文法的に「doesn’t she?」が正しい訳ですが、人によってはなんでもかんでも「innit?」を使います。
とくにロードマンイングリッシュなどでは顕著にそれが現れています。
ta!
「Thank you!」を意味するイギリス英語のスラングです。
使う人はよく使います。
wicked!
「最高!」「すごい!」という意味のスラングです。
もともとは「悪い」「意地悪」などネガティブな意味を持つ単語ですが、正反対の意味のスラングとして使われているのが面白いですよね。
カッコいい!私も使ってみよ!
スラングについては悪いものもあるから、まずはインプット目的で覚えるのがオススメ!自信をもって「大丈夫」と思えてから自分で使う方が安全だよ!
イギリス英語独自のスラングについては、以下の記事でまとめています。
イギリス英語を真剣に学びたい方にオススメの教材と勉強法
この記事を読んでくれている方の中には「イギリス英語をしっかり勉強したい」
そう思っている人も多いはず。
私も実際に英語初心者からイギリス英語をホンキで学んだから今があります
「でも具体的にどうすれば…」
そんな方のために、私の経験を元にオススメのイギリス英語勉強法や教材をまとめた記事を書きました。
イギリス英語を学んでみたい人は、ぜひ以下からご覧ください!
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