偏差値40の公立高校からイギリスの大学を卒業した元英会話講師のJINです。
イギリス英語とアメリカ英語ではスペルが異なる単語もありますが、そこには歴史と法則が存在しています
- 単語によってはイギリスとアメリカでスペルが違う
- ランダムな訳ではなく規則性がある
- 各違いには歴史が隠されている
イギリス英語の文章を読んでいるときに「あれ?スペルが違う…」と思ったことはありませんか?
そう、実は単語によってはアメリカ英語と違うスペルを使っている場合があるのです。
そこには歴史と規則性がある
とはいえ、スペルの違いは軽微なものが多く、まったく違う単語を使っているわけではありません。
イギリスとアメリカでまったく単語が違う例は以下の別記事で紹介しています。
本記事では、イギリス元在住者の私がイギリス英語とアメリカ英語のスペル違いについて解説します。
- イギリス英語とアメリカ英語の違いを知れる
- どの状況でスペルが変わるのか理解
- イギリス英語の理解が深まる
たとえば、どんな単語でつづりが違うの?
Recognizeはイギリス英語ではRecogniseだね
イギリス英語とアメリカ英語におけるスペルの違い
アメリカ英語とイギリス英語は同じ英語が語源なのに、スペルが異なることが多々あります。
結論、イギリス英語は主にフランス語とドイツ語から吸収したスペルを使う傾向があるため。
対してアメリカ英語は話されたときの発音に基づいてスペルが使われがち
イギリス英語初の辞典は1775年、サミュエル・ジョンソン氏によって、アメリカ英語は1806年にノア・ウェブスター氏が作成しました。
アメリカ英語は、元々17世紀にアメリカへ移住したイギリス人によって形成されたのですが、当時はアメリカ英語のスペルがしっかりと定着していませんでした。
標準化されたのは18世紀に入ってアメリカが独立を宣言してからのこと
大体のスペルには規則性があり、「この法則の場合はこういうスペルなんだな」と分かりますが、中には後述するLicenceのようなとても難しい使い分けもあります。
ここからは、イギリス英語とアメリカ英語のスペル違いに関する規則性について解説します。
ちなみにオーストラリア英語は?
オーストラリアはイギリス形式を踏襲している場合が多いよ
our VS or
イギリス英語の「our」で終わる言葉は、フランス語の影響が大きいと言われています。
一方アメリカ英語の「or」で終わる言葉のほとんどはラテン語が由来です。
これはスペルを簡単にするのと同時に、発音と合うように変更されたと言われている
イギリス英語 | アメリカ英語 | 意味 |
---|---|---|
colour | color | 色 |
flavour | flavor | 味 |
humour | humor | ユーモア |
labour | labor | 労働 |
neighbour | neighbor | 近所 |
arbour | arbor | 樹木 |
armour | armor | 鎧 |
behaviour | behavior | 行動 |
candour | candor | 率直 |
clamour | clamor | 喧騒 |
demeanour | demeanor | 物腰 |
endeavour | endeavor | 努力 |
favour | favor | 好意 |
harbour | harbor | 港 |
honour | honor | 名誉 |
odour | odor | におい |
parlour | parlor | パーラー |
rancour | rancor | 恨み |
rigour | rigor | 厳しさ |
rumour | rumor | 噂 |
saviour | savior | 救世主 |
savour | savor | 味わう |
splendour | splendor | 素晴らしさ |
tumour | tumor | 腫瘍 |
valour | valor | 勇気 |
vigour | vigor | 活力 |
たしかにスペルだけを見るとアメリカ英語の方がわかりやすい!
後から作られたからこその利点だね!
ise VS ize
よく言われるスペル違いであり、イギリス英語では「ise」を使います。
ただしイギリス英語に関してはルールではなくて慣習
対して、アメリカ英語で「ise」を使うことはありません。
イギリス英語 | アメリカ英語 | 意味 |
---|---|---|
apologize or apologise | apologize | 謝る |
organize or organise | organize | 整理する |
recognize or recognise | recognize | 認識する |
アメリカ英語の方がカタカナに近いのね
たしかに、イギリス英語のスペルはわかりづらいときもあるね
yse VS yze
「yse vs yze」で終わる単語はアメリカ英語が「yze」イギリス英語は「yse」を使います。
イギリス英語の場合は「yse」を使わなければいけません。
イギリス英語 | アメリカ英語 | 意味 |
---|---|---|
analyse | analyze | 分析する |
breathalyse | breathalyze | 息を吐く |
paralyse | paralyze | 麻痺させる |
civilise | civilize | 文明化する |
realise | realize | 気付く |
l VS ll
イギリス英語の中には、特定の動詞を過去分詞形や現在進行形で使う場合に「ll」を必要とする言葉があります。
その場合、アメリカ英語では「l」を使います。
その逆で動詞不定詞形または形容詞の語根を保存するためにアメリカ英語に「ll」を使う場合もあるので、使い分けが難しい
大体のアメリカ英語の「ll」の使い方は、基となる言葉に準ずるスペルになっており、例えばアメリカ英語でモデルは「model」と書きます。
そのため、「ing」が付いても基となる「model」のスペルはそのままです。
イギリス英語 | アメリカ英語 | 意味 |
---|---|---|
modelling | modeling | モデリング |
travelled | traveled | 旅行した |
travelling | traveling | 旅行している |
traveller | traveler | 旅行者 |
appal | appall | ぞっとする |
carburettor | carburetor | キャブレター |
counsellor | counselor | カウンセラー |
distil | distill | 蒸留する |
enrol | enroll | 登録 |
fulfil | fulfill | 満たす |
instalment | installment | 取り付け |
instil | instill | 植え付ける |
skilful | skillfull | 上手い |
woollen | woolen | 羊毛 |
disheveled | dishevelled | 乱れた |
じゃあ基本形のTravelもTravellになるの?
いや、Travel単体はどちらもTravelなのが難しいところ
ae or oe VS e
古代ギリシャ由来の数多くの言葉は、イギリス英語では「ae」または「oe」が入ったスペルですが、アメリカ英語では「e」のみです。
該当する単語は、科学的、医学的、技術的なものがほとんど。
イギリス英語 | アメリカ英語 | 意味 |
---|---|---|
leukaemia | leukemia | 白血病 |
manoeuvre | maneuver | 操縦 |
oestrogen | estrogen | エストロゲン |
paediatric | pediatric | 小児科 |
aeon | eon | イオン |
aesthetic | esthetic | 美学 |
anaemia | anemia | 貧血 |
anaesthesia | anesthesia | 麻酔 |
gynaecologist | gynecologist | 婦人科医 |
paediatrician | pediatrician | 小児科医 |
diarrhoea | diarrhea | 下痢 |
gonorrhoea | gonorrhea | 淋病 |
スーパーのイオンはイギリス式だったんだ!
確かに、AEONだもんね!
ence vs ense
イギリス英語の「ence」で終わる名詞は、アメリカ英語では「ense」で終わります。
イギリス英語で「ense」が使われるのは対応する動詞がある場合のみ
例えば、「You can license(動詞) someone after they hold a licence(名詞)」のようなケースが挙げられます。
イギリス英語 | アメリカ英語 | 意味 |
---|---|---|
defence | defense | 防衛 |
licence(名詞)license(動詞) | license | 許可 |
offence | offense | 攻撃 |
pretence | pretense | ふりをする |
ogue vs og or ogue
名詞の中にはイギリス英語では「ogue」で終わり、アメリカ英語であっても「ogue」で終わるケースもあります。
イギリス英語 | アメリカ英語 | 意味 |
---|---|---|
analogue | analog or analogue | アナログ |
catalogue | catalog or catalogue | カタログ |
dialogue | dialog or dialogue | 対話 |
「gue」は慣れなさそう!
いや、一旦慣れてしまえばそっちの方がしっくりくるものだよ
e vs サイレントe
イギリス英語では「e」で終わるのに、アメリカ英語ではeが抜けている場合があります。
サイレントeと呼ばれるもの
イギリス英語の「e」はフランス語に由来する部分が多いと言われています。
イギリス英語 | アメリカ英語 | 意味 |
---|---|---|
annexe | annex | 別館 |
glycerine | glycerin | グリセリン |
gramme | gram | グラム |
grille(名詞) | grill | グリル |
programme | program | プログラム |
tonne | ton | トン |
re vs er
イギリス英語の「re」もフランス語から由来しており、アメリカ英語では発音に合わせるように「er」に置き換えられました。
イギリス英語 | アメリカ英語 | 意味 |
---|---|---|
calibre | caliber | 口径 |
centre | center | 中心 |
fibre | fiber | 繊維 |
litre | liter | リッター |
lustre | luster | 光沢 |
meagre | meager | わずかな |
metre | meter | メートル |
sabre | saber | サーベル |
sceptre | scepter | 笏 |
sepulchre | sepulcher | 墓地 |
sombre | somber | 地味 |
theatre | theater | 劇場 |
センターがセントレ?
カタカナで読むとそうなる、でもイギリスでは100%「Centre」が使われているよ!
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